Archive for 1月, 2010
iPadの正体と幾つかの足りないモノ
iPad、一晩経ってあちこちの意見を聞いて、iPadは売れるのか売れないのかを考えていたりする。昨日の報道では「Kindle対抗」とか「電子書籍の覇権が……」とかいう文脈が多かったようだが、それらはiPadの真の姿を見ていない。なぜならこれは正しいIT家電の最初の姿だからだ。今のIT社会に必要なものを基本機能で全て持っていて、アプリも豊富で価格も安く、使い方を教わらなくても利用可能なもの。そう、これは家電品となったPCの姿であり、今後のライフスタイルの基本になるものだ。PCユーザーではなく、それ以外の全ての人たちのためのデバイス。それこそがiPadなのだ。
そんなiPadにも足りないモノがいくつかある。個人的な願望も含めて書いてみよう。
1.ストレージ
16GBからあるiPad。16GB?今や俺の自宅環境は4TB程度もあるというのに、16GB?それどーなの?という声はきっとあるはずだ。しかし16GBという最低容量から見えてくるのは、iPadはどこかに必ずストレージ環境を整備してくるに違いないということだ。しかもそれを意識しないで使えること。家電品という観点から考えれば、それをセットアップするために「あれやって、これやって……」などといくつもの手順を考えるというのは論外。ということはサインアップ一つで使えるストレージ環境がどこかに用意されている……ああ、これがクラウドかっ!w つまりここにアップルのデータセンターが出てきて、MobileMe拡張に繋がってくるということなのだろう。
システムに関わる部分ということであれば、この機能はWWDCあたり、iPhone OS 4.0へのバージョンアップと共に示されるのではないだろうかと予想できる。
2.マルチタスク環境
今回の発表で唯一残念に思ったのはこれ。iPhoneにはマルチタスクはいらないと思う。しかしiPadには必要なんじゃなかろうか。
例えば学校で。教科書とノートをiPadで使っている環境を想定してみればいい。教科書を開いて講義を受けていて、黒板にかかれた部分はノートに取りたい……というときに、いちいち教科書を「閉じて」ノートを「開く」、また教科書を読むときにはノートを「閉じて」教科書を「開く」というのは実際的じゃない。この部分だけでもマルチタスクは実現すべきだ。
UI的には非常に簡単だ。画面を4本指でスワイプしたら画面ごと切り替わればいい。Mac OS XでいうSpacesの感覚。タスクもたくさんなくていい。最高で4つとかに限定してもいい。これなら教科書とノートをいったりきたりできる。iPadに高機能はいらないが、必要最低限の機能だと思う。これもシステムに関わる部分なので、4.0で実装かもしれない。
3.縦書き表示ビューアとIM
日本でiBooksを提供するならぜひ備えて欲しいのは縦書き表示のブックビューア。これはiPhoneで電子書籍を読んだ経験から言えることだが、日本語はやはり縦書きの方が遙かに読みやすい言語だ。一部の技術書や雑誌などはいいだろう。しかし小説はやはり縦で読みたいし、ルビも振られて欲しい。以前紹介したiPhone用縦書き電子ブックリーダー「i文庫」が使えるが、これがiPad用の表示域に対応してくれるならそれでもいいのかもしれない。
日本語環境という点でもうひとつ期待したいのはIMの実装だ。iPhoneの予測辞書はそれなりに賢いが、やはりフル機能の日本語入力システムには敵わない。ATOKやかわせみが搭載されれば、日本語環境としてかなり快適になることは間違いない。ATOKはiPhone用を開発中という記事があったし、かわせみも載せられる可能性が指摘されている。
4.FileMaker Proクライアント
これは個人的に仕事に使いたいのでぜひ作って欲しい機能。なので家電という部分からは少し外れてしまうかもしれない。(^-^; Bentoでもいいんだけど、これから学校や病院、その他企業で使われたいなら、FileMakerのクライアント機能だけでも持って欲しいと思うのはDBコンストラクターの願望だ。加工する機能はいらないので、ネットワークでサーバと繋がってデータ閲覧と簡単なデータ追加だけができればいい。iWorkが動くなら、作れないことはないはずだ。これがあればFileMakerによる電子カルテの環境は一気に普及が進む。
Bentoならより家電的な使い方ができるだろう。こちらはフル機能が欲しいところ。家電というからには単体で完結して欲しい。
#XMLに書き出してSafariで見るという使い方ができるかも?カスタムWeb、いよいよ勉強必須か?
5.コンテンツ利用環境
実はこれは日本という特殊環境に限ってだが、映像系の配信がほぼ皆無という現状はいただけない。米iTunesストアでは「24 Season 8」がもう配信されている。「LOST」のファイナルシーズンももう買える。なのに日本はどうだ?この環境が整えば、日本でiPadは大ヒットするし、ドラマ単体で「売れる文化」を作ればTV局も潤うじゃないか。DVDシリーズで出したい?そのときになったらストアから引っ込めればいい。DVDからRipしてコンテンツを「作ってる」状態がもし著作権的に違法だというなら、それを提供する環境を作らないあなたたちも悪い、と声を大にして言いたい。売れよ。そーすれば買うからさ。
同じ理由でおそらくiBookストアも開始されない。コンテンツ大国でネットワーク大国なはずの日本は、著作権後進国だ。既得権益を守ることだけを考えて、ユーザーの利便を考えてない。こんなことでいいはずがない。
iPadはパーソナルコンピュータではなく家電だ、と考えれば今回のデバイスがなんと魅力的に見えてくることか。iPadがつまらないと思ってるあなたもぜひ違う確度からiPadを見てみよう。そこには明るい未来がある。
iPad
さて賛否両論吹き荒れているiPad。「でかいiPod touch」なのか、それとも「ネットブックの再発明」なのか。俺的にはコレ、「Macintosh以来のデジタル文房具」という見方です。用途はともかくとしてふつーに欲しい。
ポイントはiWorkをiPad用に作ったこと。ふつーにiPod touchの大きいのでないというのはこのへん。iWorkがあるなら、iPadはノートの代わりとして十分使える。そもそもプリントアウトどこ?なのにワープロが使えるってのは(Bluetoothやネットワーク接続でできる気もするけど)、これ自体をノートとして捉えてるということかと。学校にコレひとつもってくと、教科書も入っていてノートにもなって、予定表やアドレスブック、メールにWebも使えて……という、現代で必要な一通りの道具類が揃ってる。これからはiPadを学校教材に採用するところが増えると思う。
でかいiPod touchと思ってる人は、ぜひiPadのページにあるデモビデオを見て欲しい。UIを見るとiPhone OSを元に、大きな画面サイズで使いやすいように練ってある。Photoのインターフェイスなんて見てるだけでワクワクする。ビデオビューアとしても1024×768は十分な大きさだ。
そしてもうひとつ忘れてはいけないこと。
3つのカテゴリのうち、iPhoneもiPadもタッチパネルになった。
次に来るのはMacだ!
ということ。 それはいつかはわからない。でも、必ずやってくる未来であり、そちらはフルMac OSが動くはずだ。もしiPadが気に入らないなら、そちらを待てばいい。俺はまずこれで一足お先に遊びます。だって、遊べるガジェットとしては最高じゃない??
Special Event Live Coverage
Twitterでつぶやこうと思ってたんだけど、止まってるっぽいのでここはブログでフォローしよう。さて、予想はどこまで当たるかな?
ちなみに現在の画像として有力なのはこちらのほう。GizmodoとEngadget。
10:01 ジョブズ登場!大歓声とスタンディング・オベーション。
10:03 NYストアの紹介とか、業績のお話。
10:06 MobileDeviceで世界一の会社だという話。3つの製品ラインがある。
10:07 ではメインイベントを始めよう!
10:08 iPhoneとMacBookの間を埋めるモノ……。
10:10 iPad!
各Live Coverageサイトも動きません。凄い注目度が伺えます……。でもこれ、かっこいいわ。w
iPadの上のバーにはAT&Tなどのケータイキャリアの表示が出てないように見える。これはやはり無線だけということでいいのだろうか。
どうやらデモではPhotoで音楽に乗せてスライドショーを見せた様子。地図と連動して動かせるようなイメージだ。
ビデオの画面はリストとプレビューという感じで二画面分割風に見える。半分がiPhoneのリストのようなイメージ、半分がタイトル画面のような感じか。
予定表とコンタクトリストはシステム手帳風に拡張されている様子。
厚さは5インチ、9.7インチのIPSディスプレイ。16GB-64GBのストレージ、1GHzのApple A4 Chip。バッテリは10時間。Wi-Fiのみ。BT2.1。でも加速センサーとコンパス付き。
iPadのSDKは今日から配布開始。
ゲーム会社のデモ中……現在、Gameloft。続いてNYTimesのデモ。
Brushのデモ。どーやらお絵かきアプリらしい。続いてEA(エレクトリックアーツ)。
10:52 ジョブズ戻る。BookShopの話題に。iBooksという名前のアプリで提供。
10:58 iWork for the iPad?iPadでiWorkが使えるのか。それはいいな。w 教育用途として使うiPadのアプリとしてiWorkを出してきたのは正解か。このへん、まさにiPhoneとMacの間を埋めるものと言えそう。各$9,99。
11:12 バックアップなどはiPhoneと同じでUSBで接続する。
11:13 3Gアダプタでデータ接続。月額$29.99で無制限
11:16 世界へは6月に販売開始。unlockで。
価格は16GBが$499! 32GBが$599、64GBが$699。
スペシャルイベント 妄想中継w
いよいよあと24時間でイベント。いやぁ、色々な報道を見れば見るほどワクワクが止まりませんなー。o(^-^o)(o^-^)o
ただ日本発売はやはり先延ばしという噂も出てきており、そーなると一気にボルテージが下がってしまうわけですが。お宝さんだけに確度は高いよなぁ。
#ま、この可能性も予想しておりましたが
ということで最終予想はスペシャルイベントを丸1日前倒しして、勝手に中継(妄想)してみましょう。w iSlate(仮名)はiPad(仮名)になる可能性が高くなってきましたが、ここまでiSlateとして紹介してきたので、混同しないようにiSlateと表記します。
10:00 Jobs壇上に登場 「今回のイベントはとても重要な、今後のコンピュータの将来を決めるイベントだ」
10:03 2010年度第一四半期の決算報告から、Macが185%、iPhoneが200%も増加し、利益も大きく伸びたと報告(大拍手)
10:07 アップルがデジタルハブ構想を掲げてから10年目、いよいよ完成のときを迎えた。それらを支えたのはMacであり、そのアプリケーション群、そしてiPod、iPhoneとの連携によって、デジタルライフスタイルに大きな変革を与えた。そして10年目の今日、これらの中核となるアプリも次の段階へと進むのだ。それはMobileMeを中核とした「クラウド=ハブ」という方向性だ。
1.iTunesクラウドの登場
デジタルハブの中核にあるのは間違いなくiTunes。これをデスクトップだけでなくクラウドへ移行し、iPhoneやiPod touchから参照を可能にしよう。あなたのデスクトップにある楽曲データは、これからMobileMeのiTunesに保存され、ストリーミング再生される。もうiPhoneやtouchの容量に悩まされることはないのだ。
(動画は大きいのでそれはデスクトップとの連携に、クラウドは基本楽曲のみか)
〜デモ〜
2.iLife X
デジタルハブで利用するコンテンツを加工しているiLifeもバージョンアップだ。これもMobileMeとの連携を強化し、iPhotoの画像加工機能は一部、MobileMe上でも利用できるようになる。iMovieもiPhoneからアップされたデータを加工して反映できるようになる。
〜デモ〜
3.iWork X
iWorkはiWork.comがいよいよMobileMeに統合され、iWork書類の共有だけでなく、加工も可能になる。
〜デモ〜
11:15 これに伴って、ハードウェアもいくつか改変する。
4.iPod touch with Camera
touchにもカメラを付け、さらに活用できるようにした。
5.AppleTV
クラウドに対応してiTunesの他の機能も利用可能に。
そしてiPhone OSはiTunesクラウドを利用するためにバージョンアップされる。マルチタスク機能が付加される。
11:25 One more thing…(大歓声) そしてクラウドハブの象徴とも言うべき、我々のもっとも新しい創造物を紹介しよう。「iSlate」だ。 iSlateはクラウドハブに常に接続できるネットワーク機能を有し、これまでのiPhoneアプリを活用したマルチタスク可能、マルチタッチ可能なタブレット端末だ。UIはiPhone OSを基本に、さらにマルチタッチで使いやすいことを考えたものになっている。
あなたはこのタブレットを使ってMobileMeにある楽曲データ、その他のデータを活用し、自宅内なら他のMacに入っている動画データを参照できる。さらにiTunesにはブックストアを用意した。タブレット用のブックブラウザを使って、オンラインで電子ブックの購入が可能だ。
〜デモ〜
発売は3月1日。まずは米国から、そしてサービスの準備が整ったところへ順次拡充していく。それまでにiPhoneアプリデベロッパはiSlate用にUIの変更などを行って欲しい。
デジタルハブによって人々のライフスタイルは変わった。そして今、クラウド=ハブによって、さらに大きな飛躍を遂げる。それを推し進めるのはアップルだ。今日は来てくれてありがとう。(スタンディング・オベーション)
以上、妄想中継終了。w
中核となるのはやはりクラウドだろうし、それはアップルの場合MobileMeというサービスを活用することに他ならない。 準備はほぼ整っているはずだ。「アップル税」を払ってきたかいがあるというものへの変革を期待したい。
ハードウェアの発表が一番微妙なところだが、ジョブズが他に焦点がずれるような発表を好まないことを考えると、ハードウェア発表は少なく、今後数週間の間に他のハードウェア(iMacのクロックアップ、MacBookのCPUが変更など)のアップデート発表が行われるのではないだろうか。大きく機能が増えるモノのみが紹介される可能性がある。
そしてiSlateは、個人的にやはり「One more thing」で出して欲しい。(爆)タブレットが出てきたときのジョブズのとにかく嬉しそうな顔が目に浮かぶ。そして満場のスタンディング・オベーション。我々もディスプレイの前で涙を流すことだろう。w
さぁ、準備は整った。こんな妄想を軽〜く吹き飛ばすような、とてつもないモノを見せてくれっ!w
「シアター!」と「キケン」
もー、この人ホントに筆早いんだからー。(笑)
ということで12月〜1月にかけて出た有川浩の新刊は2冊。文庫とハードカバーで、でもやっぱり読み始めるとイッキなのは、ラノベだからなのか、それとも読み口が軽くて読みやすいからなのか。
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ポップでキュートでぬるい
今度の有川浩は甘さ控えめ
いいです
ドラマ化してほしい
楽しかった!是非、続編も書いていただきたいです。
「シアター!」は万年赤字の小劇団が、ふとしたきっかけで背負った300万の借金を返すために奮闘する……し始めるお話。相変わらず立ってるキャラ、設定、どれをとっても有川節全開で面白い。この人の強味は、それまでまったく興味のなかったことでも、興味を持った瞬間から全速力で吸収して形にしてしまうところだろう。「シアター!」に出てくる小劇団にはモデルがあり、そこと知り合ったことがきっかけでリサーチ含めてわずか3ヶ月で書き上げてしまうところなどは、その柔軟性の高さを評価すべきなのだろう。
まだまだ彼らの奮闘は始まったばかり。ここで終わらせるのはもったいない。続編希望。
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一切手抜きなし!! ”本気で”遊ぶということ
全力で突っ走りギリギリでかわす
読むしかないっしょ
もうひとつの「キケン」は、これまたキャラ立ち抜群な集団「西南電気工科大学 機械制御研究部」略して「キケン」の大活躍を描いた一編。あー、あったよなー、こんな何やっても楽しかった頃って。俺は大学はサークルもゼミも入ってなかったんだけど、今となってはなんともったいないことをしたものだと思う。ま、それ以外の活動で取り返したけどね。でもあーいう楽しさって、中にいるときと外にいるときではやっぱり違うんだよねぇ。そんなちょっと昔を思い出しつつ、まだまだ自分もやれることがあるんじゃない?少なくとも、どんなことにも全力で当たって行く姿勢は忘れちゃダメだと思わせてくれるお話。
確かこれもどこかにモデルがあったはず。どこかの後書きで読んだ記憶が。
とりあえず今、出せば売れる作家として完全に定着した有川浩。どちらもとにかく読みやすく、そして面白いです。いいなぁ、悔しいなぁ。
YouTube Disco!
楽しい。(^-^)
某所で見つけた(どこだっけ?Twitterだったかな)YouTubeの新しい機能、「YouTube Music Discovery Project and Playlist Creation Tool」。でもURLがそーなってるので、YouTube Discoと呼ぶのが楽しそーだ。
#Pafumeの曲みたい(笑)
どーいう機能かというのはリンク先へジャンプして見てもらうのが一番早い訳だが、アーティスト名を入れて検索すると、YouTube上でキーワードに合うアーティストや関連アーティストのPVを検索して再生リストを作って自動再生してくれるというもの。
ちなみに「Dreams Come True」で検索すると関連アーティストにはB’zや山下達郎なんてのも一緒に並んでる。映ってるのは懐かしの「Snow Dance」ですな。他に「Romance」「朝また」「Song of Joy」といったPVや、夜ヒットなどのTV番組に出てるもの、ライブの映像なんかも。タイトルと違う曲やアーティストも混ざってたりするのはご愛敬。(笑)
ま、YouTubeなので正式動画じゃないものばかりだったりするので(笑)、画質も音質もまちまち。某なんとか既得権益団体が削除要請をまとめて出すためのツールに使う可能性も十分にあるわけだが、ここは素直に「ある間に楽しむ」ことにしよう。仕事のBGMなんかにも最適。
サロゲート
原題:”Surrogates“
突っ込みどころ満載のリアル社会版「セカンドライフ」。ふつーに考えてこんな社会は実現しないだろうけど、それは設定として楽しむべし。
のだめカンタービレ 最終楽章 前編
パラノーマル・アクティビティ
原題:”Paranormal Activity “
2007年の映画なんだ。そうか、公開まで苦労したなー。(違 そーいえば最近観た「フォース・カインド」にも近いかもしれない。ちなみにパラノーマル・アクティビティとは「超常現象」のことです。
Twitterの「つぶやき試写会」という企画に応募して当選したので行ってきました。
パブリック・エネミーズ
原題:”Public Enemies“
たとえジョニデといえども悪党は悪党。でもその彼が孤独に追い詰められていく様を見てかわいそう……と思うのは、判官贔屓の日本人だから?映画の作りがそうだから?