Excelから始めるFileMakerデータベース 番外 FileMakerを使うといいのはこんな仕事!
実はまだ続くんですよ、このシリーズ。でも今回は番外編として、FileMaker Proを使うとこんな仕事はこんな風に楽になる!という例を幾つか紹介しよう。あなたがここに挙げられている仕事内容で困っているなら、今すぐファイルメーカーを導入してOKと。
ちなみに前回までのエントリーはこちら。
FileMaker Proを12にバージョンアップするべき5つの理由
Excelから始めるFileMakerデータベース その1 ExcelデータからFileMakerへ変換しよう
Excelから始めるFileMakerデータベース その2 FileMakerの基礎
Excelから始めるFileMakerデータベース その3 FileMakerの基礎2
Excelから始めるFileMakerデータベース その4 レイアウトと値一覧
いつものように、興味のある人は続きからどーぞっ!今回はテキストばかりなのでちょっとアレですかね。
1.毎日の定型業務を自動化する
まず挙げられるのは仕事内容をいかにして自動化して手間を減らすかという点だ。毎日やらなきゃいけないけど時間がかかって大変な仕事はたくさんある。例えば以前の会社で使っていたのは、宅配便用宛名印字データベースだ。
これは当時、まだ各運送会社が専用ソフトとかを提供していない時期で、発送ラベルや伝票をすべて手書きで処理していたため、この書き物だけで2時間以上を要していた。これをFileMakerのデータベースに宛先を入力し、ヤマト、佐川、西濃などの各運送会社別のラベルと伝票フォームを作り、運送会社が変わったらボタンでフォームを切り替えて印刷するという方法を取った。
おかげで送り状印刷の時間は数分の一まで軽減されて効率化された。この方法のいいところは、一つの運送会社でなく他の会社の送り状まで印刷できる点。最初にフォームを調整する必要があるが、それさえできればあとは自動化できる。
他に、顧客管理DBに訪問履歴、修理履歴などを入れたものも簡単に作ることができる。基本情報は企業名、住所、連絡先、担当者などの住所録と変わらないが、いつ訪問してどのような作業をしたか、商談の内容や修理履歴などを登録しておくことで、顧客の状況を常に把握して情報を共有できる。
これら日報作成や印刷用フォームなど、日々の定型業務を自動化するのにファイルメーカーは便利だ。これを自分で作る(あるいは安く開発してもらえる)ことができるのもファイルメーカーの利点だろう。
2.ペーパーレスを実現しよう
私が担当した某企業では、それまでペーパーで行っていた一連の作業をファイルメーカーを導入して可能な限りペーパーレス化。実際にはまだ紙の部分は残っているが、帳票と同じものを現場で確認できるため、履歴や数値をその場で入力できるようになって省力化が実現した。
いつまでも紙で動いている業務を電子化するための方法としてファイルメーカーを検討してみよう。ファイルメーカーはフォームを編集できるので、PC画面上で出力帳票と同じものを見て入力できる。これはPCに抵抗のある人たちにもこれまでと同じ帳票に記入する感覚でデータを入力/修正ができるため、わかりやすいものになる。
さらに現在はiPadのおかげでペーパーレスへのステップがさらに上がっている。例えば売上伝票をiPadに転送して配達し、サインもiPadにもらってOK(iPadにはその方法が用意されている)という流れができれば、日々の業務はさらに電子化が進むはずだ。現場でデータを入力することで事務所での入力作業は減り、より効率的な業務フローが可能になる。
3.MacとWindowsが混在する会社に
印刷や映像、音楽関係など、クリエイティブな現場にはMacがある。しかし事務関連の仕事はウインドウズでやっているところも多く、Macとは別に業務用端末を持っている会社も少なくないだろう。
ファイルメーカーはMacでもウインドウズでも使えるクロスプラットフォーム環境で、同じ入力画面で同じ動作ができ、ネットワーク経由で同じデータベースを共有できる。これらの環境でデータベースを運用するならファイルメーカーが一番だろう。
4.大きな会社の部署別に管理したい案件をDB化する
実際の基幹システムはUnixの大きなシステムが動いているような企業でも、各部門、各部署毎にエクセルで管理している帳票や管理用の文書があるだろう。基幹システムに変更をかけるにはシステム会社に依頼して予算を立ててと大袈裟になるため、ちょっと使い勝手の悪い部分も放置したりしていないだろうか。
ファイルメーカーはこのような部署別に使う補助データベースとして活用するのに最適だ。ネットワークでデータベースを共有でき、基幹システムとリンクしてデータを使うこともできる。例えば顧客情報は基幹システムから、その詳細な入力はファイルメーカーでという使い方が可能になる。基幹システムと違って新しいフィールドを追加するのも簡単だし、導入コストもシステム会社に依頼することを考えれば安くなることが期待できるだろう。
5.グループウェアとしてのファイルメーカー
ファイルメーカーはFileMaker Serverを導入しなくても、1台のPCで動いているデータベースにネットワーク経由で9台までアクセスできる。Serverを導入すれば数十台単位になるが、小さな部署で使うなら10台で運用できるデータベースはコンパクトだ(一部制限あり)。
一つのデータベースを共有することで、例えば顧客管理DBに誰でもアクセスできるため、担当者以外の人が電話対応をしなければならない場合に情報を共有して利用できたり、各自が入力することで省力化が図れるようになる。
さらにFileMaker Serverを導入すれば、Webブラウザでのアクセスなどもできるようになる。社外から当日の業務日報を入力するといったような使い方が可能になるというわけだ。
つらつらと思いつくまま書き連ねてみたが、ファイルメーカー導入のメリットは「省力化」と「情報共有」、そして「安価に」という点だろう。少なくとも基幹システムを入れる数千万よりは桁ひとつ違うレベルで実現できるはずだ。
もしこれを読んだ方で、「ひょっとして我が社の環境はファイルメーカー導入で便利になるんじゃないだろうか?」と思った方は、いつでもご連絡をお待ちしております。コンサルティングから導入、DBの加工までお受けしますよー。コメント欄へのコメント、あるいはTwitterあたりで声をかけていただければ。
よろしくお願いしますー。