Archive for the ‘Books’ tag
これなら使える Cloud Readers
やはりiPadに関して関心事と言えば電子書籍なわけで、日本の環境では当分iPadで漫画や書籍を読む環境は整いそうにない。ということは自前でなんとかするしかないわけだ。で、ScanSnapでPDF化したとしても、それを読む環境は?GoodReaderはいいアプリだが、 ページを「上下」にめくるのはやっぱりイマイチ。
そこで登場したのがPDFやJPEGファイルを書籍風に読むことができる(要は横ページめくり)リーダ、Cloud Readersだ。PDF、JPEGが読み込めるということなのだが、大きなPDFファイルはメモリ不足で落ちてしまうことが多いらしい。(作者サイト参照)しかし確かにJPEGファイルでZIPにまとめたものは問題なく読むことができた。ZIPにまとめられるというのは結構重要で、JPEGファイルを200Pも別ファイルで流し込むというのははっきりいってやってられない。
新しいバージョンからはiTunes経由でファイルが登録できるようになり、大きなファイルの転送が楽になった。 ドラッグ&ドロップで登録できるのは楽ちんだ。
で、どんな感じになるかというと。それぞれ実寸で登録するので興味のある人はクリックして拡大表示してください。
左から「AKIRA」、これは週刊誌サイズですな。うむ、十分読める。真ん中はご存知「究極超人R」。コミックスサイズもこんな感じ。左は「人類は衰退しました」で、文庫本サイズ。をー、問題なく読めるー。
まだまだ問題はあって、実際にはページ繰りが見開きだと2ページ単位にならなかったり、サイズが微妙に決まらなかったりするものの、開く方向も変えられるし必要なら拡大もできる。自由度が高いと言ってしまうのもありか。いずれにしろ今後さらなるバージョンアップが期待できるところだ。
作者さん曰く、「ePubは解像度の低いケータイや解像度がまちまちなものに流し込みをするときにはいいが、iPadレベルのものであればPDFやJPEGで1枚単位の方がレイアウトも含めて表現できる」と言っている。これは確かにその通りで、特にこれからコミックスという分野であれば、この方が表現力が高くなるのは間違いないだろう。
当座はこれでちまちま使いつつ、ScanSnap使ってデータ化を進めるかなぁ。問題は本をバラすことに対する罪悪感との戦いだよなぁ。(^-^;
今月のショッピングカート
さて恒例、今月のショッピングカート。すでに幾つか買ったものとか、まだ出てないものとかも含めて。
売り上げランキング: 4
特典映像付いてないなら買う価値なし
高い所怖いです。
3Dでなければ価値が無い
3D映画の礎(いしずえ)となる作品
これを「映画」とは呼べない。(いや、呼びたくない。)
ああ、これはもう週末発売か。お店でも500円引きとかしてるけど、Amazonだと933円もお得。SWなどのような、今までの映画の常識を覆すエポックメイキングなものであることは間違いなく。記念に買うか。あるいは人に貸す用。
売り上げランキング: 12444
iPadはiPhone用の小さいACアダプタでは充電できないとか、ACアダプタはいろいろ使うけどひとつで済ませられると便利、と考えるとこれは欲しい。同時に3つまでなら充電できるそーで、旅行にひとつ持ってっとけばiPhone、iPad、ついでにモバイルブースターとかも充電できそう。値段も安いし、在庫があるうちに早いとこポチすべきか。
売り上げランキング: 2315
最高です!
ポメラDM10みたい
思ったよりよく出来ている!
Viliv X70 のキーボードとして、使っています。
非常に良いです。
使えるという折りたたみ式BTキーボード。実はもうひとつ安いのを買っちゃったのでこちらはパスしたんだけど、モノはこっちの方が良さそうなんだよねぇ。ちなみにこれはJISキーボード。あ、国内では使えませんよー(棒読み)。
昨日も書いたiPadケースで気になってるのはとりあえずコレ。ラバーコーティングってことはおそらくiPhoneのAirJacketと同じで、しかも三倍早い(嘘)赤。結構背面、気になるんだよねぇ。
角川春樹事務所
売り上げランキング: 14333
前作の不満点を補う一作
好篇
ふたりの仲も急接近?!
書き方の方針転換
ここからは本とか漫画。続編が昨年10月に出てたなんて知らなかった。(^-^; 「神様のパズル」の正式続編で、「神様のパラドックス」の一部が被ってる感じ?買いました。
白泉社 (2010-04-09)
表紙を見てにやけてしまう。
嵐の向こうに見えるのは光か闇か?
心に残る1冊
テイストが変わった?
島田に惚れた
引き続き読んでおります、ライオン。大人になる過程の子供の苦悩と、それらが入る隙のない勝負の世界の間で揺れ動く人間模様のお話は、結構キツい。
予約しないで買いに行っちゃおうかと。しかし限定版を買うべきか、通常版を買うべきか悩む。限定版買うならドラマCDも一緒に買ってお正月にはカルタ……というオプションがないといけないわけだが、ひとりでするカルタは寂しいぞ、きっと。w とりあえずリンクは限定版。
とりあえずこんなとこ?評価とかいやこっちが、とかあれば絶賛募集中〜。
「シアター!」と「キケン」
もー、この人ホントに筆早いんだからー。(笑)
ということで12月〜1月にかけて出た有川浩の新刊は2冊。文庫とハードカバーで、でもやっぱり読み始めるとイッキなのは、ラノベだからなのか、それとも読み口が軽くて読みやすいからなのか。
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 244
ポップでキュートでぬるい
今度の有川浩は甘さ控えめ
いいです
ドラマ化してほしい
楽しかった!是非、続編も書いていただきたいです。
「シアター!」は万年赤字の小劇団が、ふとしたきっかけで背負った300万の借金を返すために奮闘する……し始めるお話。相変わらず立ってるキャラ、設定、どれをとっても有川節全開で面白い。この人の強味は、それまでまったく興味のなかったことでも、興味を持った瞬間から全速力で吸収して形にしてしまうところだろう。「シアター!」に出てくる小劇団にはモデルがあり、そこと知り合ったことがきっかけでリサーチ含めてわずか3ヶ月で書き上げてしまうところなどは、その柔軟性の高さを評価すべきなのだろう。
まだまだ彼らの奮闘は始まったばかり。ここで終わらせるのはもったいない。続編希望。
新潮社
売り上げランキング: 51
一切手抜きなし!! ”本気で”遊ぶということ
全力で突っ走りギリギリでかわす
読むしかないっしょ
もうひとつの「キケン」は、これまたキャラ立ち抜群な集団「西南電気工科大学 機械制御研究部」略して「キケン」の大活躍を描いた一編。あー、あったよなー、こんな何やっても楽しかった頃って。俺は大学はサークルもゼミも入ってなかったんだけど、今となってはなんともったいないことをしたものだと思う。ま、それ以外の活動で取り返したけどね。でもあーいう楽しさって、中にいるときと外にいるときではやっぱり違うんだよねぇ。そんなちょっと昔を思い出しつつ、まだまだ自分もやれることがあるんじゃない?少なくとも、どんなことにも全力で当たって行く姿勢は忘れちゃダメだと思わせてくれるお話。
確かこれもどこかにモデルがあったはず。どこかの後書きで読んだ記憶が。
とりあえず今、出せば売れる作家として完全に定着した有川浩。どちらもとにかく読みやすく、そして面白いです。いいなぁ、悔しいなぁ。
夏への扉[新訳版]
早川書房
売り上げランキング: 647
明日は今日よりずっといい日になる
元祖ラノベ
新訳、好きです
核戦争後も未来はある!
ある発想
10回以上読んでるはずなのに、改めて読み直したのは10年以上ぶりかな。ダンのエンジニアとしての姿勢に、なぜかアップルとの共通点を感じたりして。
軍で最先端のテクノロジーを学んだダンは、その技術を使って自動掃除機や窓拭き機を作り、会社を立ち上げた。さらにそれらを発展させたお掃除ガールを開発中だったが、ビジネスパートナーと婚約者の裏切りに合い、会社と新たな発明を取り上げられてしまった。失意のどん底に落ちたダンは、パートナーの雄猫 ピートと共にコールドスリープで30年先の時代へ行こうとするが……。
ま、SFな人には語るまでもない、オールタイムベストの傑作 我が心の師w ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」。新訳版は「アルジャーノンに花束を」の翻訳者、小尾芙佐氏によるもの。1970年代に出版された福島正実翻訳版の古い言い回しなどを改めたものだ。
最初に読んだのはたぶん中1のときで、以来20代半ばまでに何度も読み返した。俺の中のタイム・パラドックスの基礎を築いた作品でもある。つまり「自分のいる位置から過去に起こったことは変わらない」という話。
※未だにタイムパラドックスを語らせると一晩かかります>俺
当時はまだ単なるSF者の視点で読んでいたけど、改めて読み直した今回はかなりテクニカルな視点で読んだ。そこで気が付いたのは、主人公ダンの作るモノに対する設計思想がアップルに近いのかも?ということだ。ダンは「既存の技術を組み合わせて新しいモノを作ること」が良いことだと考え、さらに「壊れやすい稼働部分を可能な限り減らし、修理はモジュール単位で交換できるモノを作る」ということにこだわっている。しかも自分のモノ作りはアートだと考えて、心ゆくまでその製作物に手を加えることを望む。そんな彼が受けた仕打ちは、販売部門担当のビジネスパートナーの裏切りだった。再度挑戦したとき、彼は信頼できる人を得て、その人を信じることで成功していく。その過程のそこここにもアップルのこれまでの歩みを重ねてしまうのは、俺が単なるアップルマニアだからなのだろうか。(自嘲)
そしてもうひとつ、当時では全く思わなかったピートのこと。ああ、猫だなぁっていうか、猫好きな人ならよくわかる猫の動きというか。うちで猫を飼うならピートって名付けないとね。w
まぁそんな感じで、読み直した「夏への扉」は新たな発見、いろいろな見方を教えてくれる楽しい体験になった。これはやはり、歳を重ねたということなのかもしれないなぁ。
狙いまくり! 大人の科学で二眼レフカメラ
売り上げランキング: 62
学研の本気
もうね、これまさに「狙いました」と言わんばかりの本ですよ。デザインから中身のイメージまで、とにかく「女子」向けに作った感見え見えな。w あー、でも好きな人買っちゃうんだろうなぁ。
ということで毎度おなじみ「大人の科学マガジン」の新刊は、プラスチックな二眼レフ。誌面がどこかの女性誌みたいな感じになってるみたいだし、サイトで見れる撮影風景でも女性モデルさんが二眼を持って歩いて、その写真の使い方や撮影イメージを掲載していたりと、とにかくこれまでの大人の科学では考えられないおしゃれ展開。しかし撮影例を見てみると結構ボケ味も良くて、女の子なら「あーこれいい、かわいぃ〜」っていいそうな感じなのである。
#そこのアナログを始めて人に勧めまくってたおぢさんは買っちゃだめですよw
ダメですよとか言いつつ自分で買ってしまいそうなのは内緒だ。(マテ 確かamazonのポイントが……。(ごそごそ)
始末屋ジャック 凶悪の交錯
扶桑社
売り上げランキング: 5823
扶桑社
売り上げランキング: 5822
発売日前日の29日に入手して発売日中に読了。(笑)相変わらず一気読みのウィルスン。ん〜、今回はちょっと負け。
父との和解と、圧倒的なアドヴァーサリの力を見せつけられた前作から2ヶ月あまり。ジャックはニューヨークに帰り、また始末屋の仕事を再開していた。今回の依頼はカルト宗教にハマって音信不通になった息子を捜し出して欲しいという「老女と犬」のペアと、強請られている謎の女性を救うこと。もちろんすでに「偶然などない」ジャックには、どちらの案件にも「異界」の影響があった。すべてはあるべき形に結びついていく。今回もジャックは異界の侵出を止めることができるのか?
今作ではいよいよアドヴァーサリとの長い対決の歴史が語られ、ジャックは真相に近づいていくことになる。グレーケンとラサロムの過去、現在、そしてこれからのこと。もちろん歴史は「ナイトワールド」へ向けて進んでいくわけで、これまでよりも明確な全体像が見え始める。
ただ始末の仕事としては、 今回はちょっと後味の悪いものになった。いるべきとき、いるべきところにいなかったジャックを歯がゆい思いで見つめることなるだろう。もちろん彼は万能ではない。しかし自分に関わった者は常に救いたいと願う彼を応援したいし、それがとても良い読後感をもたらしてきたことも事実だ。やはりジャックには「勝って」もらいたいのだ。
ということで既刊シリーズ13作中8作目が登場した始末屋ジャックシリーズ。追いつくまではあと5作、さらに14歳のジャックを描くジュブナイルシリーズが登場しているという。とにかくシリーズは確実に最後まで出て欲しいし、スピンオフな話もぜひ読みたい。そのためにはやはり、このシリーズを読む人を増やさなければならない。ここまで邦訳全作を紹介して興味を持った人はぜひ、シリーズを手にとっていただきたい。そして続巻の登場を心待ちにしようではないですか!(^-^)
前回予告の「世界観」云々話も書きましょうね。ということでもうちょっと続くよ。w
始末屋ジャック 深淵からの脅威
扶桑社
売り上げランキング: 357958
ラ〇ロム!
扶桑社
売り上げランキング: 357656
とうとう姿を現す一者とその力。家族の絆を回復していくジャックの運命は回り続ける。
フロリダに越していた父が交通事故で意識不明の重体ーそんな電話が15年以上音信不通だった兄トムからかかってきた。しかも兄は行けないため、ジャックに見舞いに行けという。フロリダの地に着いたジャックは父の向かいに住む犬を連れた女性 アーニャと出会う。アーニャは不思議な力を持っていた。
方や、フロリダの湿地帯に住んでいるクランー同じような身体特徴を持った仲間たちーの長、セマリーは北から男がやってくることを知る。この男が自分にとって特別であるという感覚を持ったセマリー。しかし、クランは父の事故に深く関与していた……。
そしてアメリカのどこかで、一者は自らの滋養となる「悪」を吸収し、力を増大させていた。
この作品がシリーズ中最高傑作と言われる所以は、ジャックと父の信頼の回復、そしてジャックが家族の絆を取り戻していく過程が心温まるものだからかもしれない。事実、読んでいて泣きそうになる(俺だけかも?w)ところあり、「ああ、ジャックの想いを共有してくれる人がいた」という安心感は、シリーズを通して読んでいる人には実感できるはずだ。
と同時に、一者ーサル・ローマがその真の名前「ラサロム」としての圧倒的な力を振るい、これまでのなんだか小物な感じ(笑)を払拭して宿敵の姿を現し始めることも、ゾクゾクする期待感となって迫ってくる。
姉の死、恋人との絆、そして父との信頼と、これまで現世で生きていなかったジャックが、もう一度現世での生を得て、強大な敵に立ち向かうという方向に話は進みそうだ。次にくるのは兄との話だろうか。いずれにしろそれはどこかで必ず出てきそうだ。
そしてここまでジャックがラサロムと関わったからには、「ナイトワールド」が書き直されることはほぼ間違いないだろう。あるいは始末屋ジャックシリーズとして、パラレルワールドな「ナイトワールド」がもう一本生まれるかだ。それでいい気もする。ジャックはラサロムと対決しなければならない。それは彼がジャックであり、ラサロムを葬り去ることは彼自身の矜恃を守ることでもあるからだ。
ということで既刊はなんとか紹介終了。もう一回、アドヴァーサリ・サイクルがどーいう年表になってるかとか、映画化の話とかをまとめてみたい。きっとそれを書いてる間に新刊入手→一夜で一気読み、となるはずです。w
始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密
扶桑社
売り上げランキング: 66913
内容はGOOD!でも翻訳が、、、
物語は新たな領域ヘ!
一晩寝ずに読み終えました!
扶桑社
売り上げランキング: 377933
少し本筋からずれているように見えて、それでもやっぱり「もはや偶然はない」のだった。
姉を亡くして2ヶ月、葬儀にも行けず、仕事もせず、失意の日々を送ったジャックだったが、ようやく始末屋の仕事に復帰することにした。今回の仕事はたまたま訪ねた霊媒師の家で起こる、他の霊媒師からの妨害工作らしきものを止めるという、あまり険悪でないもの。そしてもうひとつ、何か悪いことをしているかもしれない弟を守り、必要なら止めて欲しいという謎の依頼も。
しかしジャックが家を訪れたことで霊媒師の家には良くないものが復活していた。 それはジーアを絡め取り、結局はジャック自身の大きな問題をも巻き込んで行くことになる。
今作で何より面白いのは、ジャックと霊媒師たちが仕掛ける様々な詐欺ートリックの数々だ。もちろんすべての霊媒がそうだとは限らないだろうが、それを商売にしている者たちの裏側を暴きつつ、さらにその上をいくトリックで相手を騙そうとするシーンは非常に楽しい。「スティング」とまではいかないが、イカサマ師ってのはこーいう人たちのことを言うんだなぁとしみじみ。
もうひとつはカルトの恐怖。小児性愛やカルトの生け贄といった部分に触れつつ、それがどんなに許されない行為かー俺もこの世で最も忌むべき行為は罪のない子供たちを傷つけることだと思うーを描く。これはアメリカだから、と言ってられる世の中ではなくなりつつある。我々が留意すべきは「児童ポルノ」だなんだと言って表現の自由を制限することではなく、本当に傷つけられている子供を助けることなのだ。
と、話はそれたが、今回ジャックにはとても大きな、人生を変えてしまうような大きな出来事が起こる。その様は想像通りなのだけど、そりゃ彼の性格からすればそーだろうなぁと。そこも読んでいて楽しいところでもある。
次はシリーズ既刊の最高傑作と言われる「深淵からの脅威」だ。ふー、間に合った。(^-^;
始末屋ジャック 見えない敵
扶桑社
売り上げランキング: 295651
じっくり、哀愁を楽しめる本でした
始末屋ジャック、危機一髪!
扶桑社
売り上げランキング: 295473
この巻から邦題に「始末屋ジャック」と入り始めました。シリーズは5作目。いよいよ異界の侵出が始まる。
偶然居合わせた地下鉄の社内で起こった乱射事件。その犯人を射殺したジャックは、その場を立ち去った……。もちろん自分自身の身元が暴かれることを恐れてのこと。しかしジャックは「救い主」と呼ばれて大々的に報道され、しかも同じ車内にいた新聞記者に追い回されることになる。同じ頃、新たな依頼を引き受けたジャックの前に現れたのは、すでに15年あまり完全に音信不通になっていた姉 ケイトだった。ケイトが依頼人?でもなぜ?
いよいよ異界との対決が明確になりつつある今作。すでに「偶然はない」と言われてしまうジャックにとって、異界との戦いは宿命となりつつある。その運命の輪の中に姉が巻き込まれたというのが今回のお話のポイント。しかも時折現れる幻視は、「ナイトワールド」を読んでいる者にとってはかつて体験した、その後の世界のイメージに非常に近く、不気味だ。
今回のもう一つの軸は、新聞のいい加減さだ。もちろんそれが悪いこととは言わないが、自分で勝手に筋立てを考えてしまう記者の姿は映画「ニュースの天才」のヘイデンくんを思い出さずにはいられない。 日本のマスコミももっと……。(以下略)
とにかくすでに偶然はないと言い切られてしまったジャックにとって、異界との関わりはこれまで以上に濃密になっていく。そしてその先に見えてくるのは、小説「ナイトワールド」とは違う時間軸の未来だ。あのジャックが、やられっぱなしのまま、何も知らない第三者として関わるような立場になる訳もない。さてどっちに進むのか。
さて既刊のものはあと2作(今読んでるのは「深淵からの脅威」の上巻)。感想まで含めて間に合わせなきゃ!
悪夢の秘薬
扶桑社
売り上げランキング: 458606
始末屋ジャックはどこへ向かうのか?
扶桑社
売り上げランキング: 459650
新刊「凶悪の交錯」発売まであと1週間あまりと迫ってきた。読み直し本はあと2冊と半分。なんとかギリギリ間に合いそう。w 紹介する方も忘れてはいけないですね。間に合うように頑張る。
今回のジャックへの依頼は、「敬愛する私の上司がギャングに脅されているかもしれない。助けて欲しい」というもの。依頼主のナディアーは大学時代の恩師であり、新しい仕事の上司にもなるリュク・モネがセルビア人のギャング、ミロシュに脅されていると考えていた。時を同じくして、ミロシュに復讐したい男から依頼を受けていたジャックは、この件を引き受けることにした。
ニューヨークの街は狂気に溢れているように見え、そこかしこで暴力事件ーしかも常軌を逸したものが起こっている。その原因は新しい麻薬だと言われており、その影にはミロシュの姿が見え隠れする……。果たして麻薬の正体は?
今作のポイントはこの麻薬の正体であり、そこにはあの忌まわしき存在がある。そして異界に囚われつつあるジャックの周りでは、それに関するコトばかりが起こり始めてゆく。ラコシとの戦いに生き延びたことで異界がジャックを知り、その命をも狙っているのだということが、徐々に明らかになってくる。それでもジャックは持ち前の、自らの中にある正義を信じて、それに立ち向かっていく。
始末屋ジャックシリーズで心地よいのは、このジャックの正義感が実に正しいことだ。夜の中には理不尽なこと、それでもどーしようもないことがたくさんある。正義でないことがまかり通ってしまう世の中は間違いだと思っても、自分の手ではどうすることもできない。ジャックはそんなことを「始末」してくれる。彼が所属しない社会の闇を、正しく始末する。つまりある意味「必殺仕置き人」。(笑)
そんな彼の活躍が読めるのはこの始末屋ジャックシリーズだけ。今作もAmazonなら1円ありますよ。是非っ!w