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夏への扉[新訳版]

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夏への扉[新訳版]
夏への扉[新訳版]

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ロバート・A・ハインライン
早川書房
売り上げランキング: 647
おすすめ度の平均: 5.0

5 明日は今日よりずっといい日になる
5 元祖ラノベ
5 新訳、好きです
5 核戦争後も未来はある!
5 ある発想

10回以上読んでるはずなのに、改めて読み直したのは10年以上ぶりかな。ダンのエンジニアとしての姿勢に、なぜかアップルとの共通点を感じたりして。

軍で最先端のテクノロジーを学んだダンは、その技術を使って自動掃除機や窓拭き機を作り、会社を立ち上げた。さらにそれらを発展させたお掃除ガールを開発中だったが、ビジネスパートナーと婚約者の裏切りに合い、会社と新たな発明を取り上げられてしまった。失意のどん底に落ちたダンは、パートナーの雄猫 ピートと共にコールドスリープで30年先の時代へ行こうとするが……。

ま、SFな人には語るまでもない、オールタイムベストの傑作 我が心の師w ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」。新訳版は「アルジャーノンに花束を」の翻訳者、小尾芙佐氏によるもの。1970年代に出版された福島正実翻訳版の古い言い回しなどを改めたものだ。

最初に読んだのはたぶん中1のときで、以来20代半ばまでに何度も読み返した。俺の中のタイム・パラドックスの基礎を築いた作品でもある。つまり「自分のいる位置から過去に起こったことは変わらない」という話。
※未だにタイムパラドックスを語らせると一晩かかります>俺

当時はまだ単なるSF者の視点で読んでいたけど、改めて読み直した今回はかなりテクニカルな視点で読んだ。そこで気が付いたのは、主人公ダンの作るモノに対する設計思想がアップルに近いのかも?ということだ。ダンは「既存の技術を組み合わせて新しいモノを作ること」が良いことだと考え、さらに「壊れやすい稼働部分を可能な限り減らし、修理はモジュール単位で交換できるモノを作る」ということにこだわっている。しかも自分のモノ作りはアートだと考えて、心ゆくまでその製作物に手を加えることを望む。そんな彼が受けた仕打ちは、販売部門担当のビジネスパートナーの裏切りだった。再度挑戦したとき、彼は信頼できる人を得て、その人を信じることで成功していく。その過程のそこここにもアップルのこれまでの歩みを重ねてしまうのは、俺が単なるアップルマニアだからなのだろうか。(自嘲)

そしてもうひとつ、当時では全く思わなかったピートのこと。ああ、猫だなぁっていうか、猫好きな人ならよくわかる猫の動きというか。うちで猫を飼うならピートって名付けないとね。w

まぁそんな感じで、読み直した「夏への扉」は新たな発見、いろいろな見方を教えてくれる楽しい体験になった。これはやはり、歳を重ねたということなのかもしれないなぁ。

Written by ei

11月 2nd, 2009 at 12:05 pm

Posted in Books

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