若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

始末屋ジャック 凶悪の交錯

without comments

始末屋ジャック 凶悪の交錯 (上) (扶桑社ミステリー ウ 8-27)
F・ポール・ウィルスン
扶桑社
売り上げランキング: 5823

始末屋ジャック 凶悪の交錯 (下) (扶桑社ミステリー ウ 8-28)
F・ポール・ウィルスン
扶桑社
売り上げランキング: 5822

発売日前日の29日に入手して発売日中に読了。(笑)相変わらず一気読みのウィルスン。ん〜、今回はちょっと負け。

父との和解と、圧倒的なアドヴァーサリの力を見せつけられた前作から2ヶ月あまり。ジャックはニューヨークに帰り、また始末屋の仕事を再開していた。今回の依頼はカルト宗教にハマって音信不通になった息子を捜し出して欲しいという「老女と犬」のペアと、強請られている謎の女性を救うこと。もちろんすでに「偶然などない」ジャックには、どちらの案件にも「異界」の影響があった。すべてはあるべき形に結びついていく。今回もジャックは異界の侵出を止めることができるのか?

今作ではいよいよアドヴァーサリとの長い対決の歴史が語られ、ジャックは真相に近づいていくことになる。グレーケンとラサロムの過去、現在、そしてこれからのこと。もちろん歴史は「ナイトワールド」へ向けて進んでいくわけで、これまでよりも明確な全体像が見え始める。
ただ始末の仕事としては、 今回はちょっと後味の悪いものになった。いるべきとき、いるべきところにいなかったジャックを歯がゆい思いで見つめることなるだろう。もちろん彼は万能ではない。しかし自分に関わった者は常に救いたいと願う彼を応援したいし、それがとても良い読後感をもたらしてきたことも事実だ。やはりジャックには「勝って」もらいたいのだ。

ということで既刊シリーズ13作中8作目が登場した始末屋ジャックシリーズ。追いつくまではあと5作、さらに14歳のジャックを描くジュブナイルシリーズが登場しているという。とにかくシリーズは確実に最後まで出て欲しいし、スピンオフな話もぜひ読みたい。そのためにはやはり、このシリーズを読む人を増やさなければならない。ここまで邦訳全作を紹介して興味を持った人はぜひ、シリーズを手にとっていただきたい。そして続巻の登場を心待ちにしようではないですか!(^-^)

前回予告の「世界観」云々話も書きましょうね。ということでもうちょっと続くよ。w

Written by ei

10月 1st, 2009 at 2:20 am

Posted in Books

Tagged with ,

Leave a Reply