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始末屋ジャック 深淵からの脅威

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おすすめ度の平均: 5.0

5 ラ〇ロム!

始末屋ジャック 深淵からの脅威〈下〉 (扶桑社ミステリー)
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とうとう姿を現す一者とその力。家族の絆を回復していくジャックの運命は回り続ける。

フロリダに越していた父が交通事故で意識不明の重体ーそんな電話が15年以上音信不通だった兄トムからかかってきた。しかも兄は行けないため、ジャックに見舞いに行けという。フロリダの地に着いたジャックは父の向かいに住む犬を連れた女性 アーニャと出会う。アーニャは不思議な力を持っていた。
方や、フロリダの湿地帯に住んでいるクランー同じような身体特徴を持った仲間たちーの長、セマリーは北から男がやってくることを知る。この男が自分にとって特別であるという感覚を持ったセマリー。しかし、クランは父の事故に深く関与していた……。
そしてアメリカのどこかで、一者は自らの滋養となる「悪」を吸収し、力を増大させていた。

この作品がシリーズ中最高傑作と言われる所以は、ジャックと父の信頼の回復、そしてジャックが家族の絆を取り戻していく過程が心温まるものだからかもしれない。事実、読んでいて泣きそうになる(俺だけかも?w)ところあり、「ああ、ジャックの想いを共有してくれる人がいた」という安心感は、シリーズを通して読んでいる人には実感できるはずだ。
と同時に、一者ーサル・ローマがその真の名前「ラサロム」としての圧倒的な力を振るい、これまでのなんだか小物な感じ(笑)を払拭して宿敵の姿を現し始めることも、ゾクゾクする期待感となって迫ってくる。

姉の死、恋人との絆、そして父との信頼と、これまで現世で生きていなかったジャックが、もう一度現世での生を得て、強大な敵に立ち向かうという方向に話は進みそうだ。次にくるのは兄との話だろうか。いずれにしろそれはどこかで必ず出てきそうだ。
そしてここまでジャックがラサロムと関わったからには、「ナイトワールド」が書き直されることはほぼ間違いないだろう。あるいは始末屋ジャックシリーズとして、パラレルワールドな「ナイトワールド」がもう一本生まれるかだ。それでいい気もする。ジャックはラサロムと対決しなければならない。それは彼がジャックであり、ラサロムを葬り去ることは彼自身の矜恃を守ることでもあるからだ。

ということで既刊はなんとか紹介終了。もう一回、アドヴァーサリ・サイクルがどーいう年表になってるかとか、映画化の話とかをまとめてみたい。きっとそれを書いてる間に新刊入手→一夜で一気読み、となるはずです。w

Written by ei

9月 26th, 2009 at 3:29 pm

Posted in Books

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