ザ・サークル
原題:”The Circle”
ハーマイオニーさえ出てればいいのさっ!っていう言葉が最近はもう使えなくなりつつあるエマ・ワトソンの新作は、Facebookを強烈に皮肉ったSNSユーザーには結構響くかもしれない映画。
全てをシェアすれば人類は幸せになれるーそれが世界最大のSNS企業 <サークル>の理念。創始者のベイリーは、人々がSNSによって全てを隠すことなくオープンにすることを目指し、あらゆる情報を<サークル>に集めようとしている。小さな街で水道局の電話対応をしていたメイは、知人のつてでこの最先端企業に入社。ある事件をきっかけにベイリーの目に止まった彼女は、<サークル>の新サービス、「シーチェンジ」のモデルケースとして採用される。そのサービスは、自分の見るもの全てを全世界に向けて常に発信し続けるというものだった。
FacebookやTwitter、Instagramから人々の生活を垣間見ている現代。自分の情報が一つに集まって、あらゆることに使えれば楽だなと思う反面、全ての情報を何かのサービスに握られることは怖いとも思う。この映画のSNSサービス<サークル>は、色々あるSNSの一番怖いところを集めて作られた「つながり過ぎた世界」。理想を語るベイリーの姿とそれに心酔する人たちの姿は、新興宗教の教祖と「狂信者」の群れににていてとても怖い。
そしてそれはいつでも起こりうることで、世界で10億人以上が利用しているFacebookがその気になれば(しかもあそこはInstagramも持ってる)ここにあることはいつでも可能だろう。ザッカーバーグがもう少し狂ってれば(酷い)、未来の世界はFacebookが支配してるかもしれない。
主演はエマ・“ハーマイオニー”ワトソン。……ていう呼び名ももう失礼になってきましたかねぇ、ハリポタ時代はもーずっと前で、「美女と野獣」とか代表作もできてきたし(個人的には「ウォールフラワー」の方が好きだな)。そして小さいというイメージのある彼女が実は165cmもあるということに驚き。ああ、やっぱり俺はハーマイオニーのイメージから抜け切れてないんだなと。もう27歳、やっぱり20代後半から30代前半こそ女性が一番輝く時期ですな。SNSの創始者 ベイリーにはトム・ハンクス、メイの幼馴染 マーサーには「6才の僕が、大人になるまで」のエラー・コルトレーン。他にはビル・パクストン、ジョン・ボイエガも出てます。
監督はジェームス・ポンソルト。TVシリーズとかがメインですかねぇ。
SNSに疲れたら、まー休めばいいのさ。見たくない投稿は隠せばいいし、自分が疲れることをする必要はない。そしてどんなサービスも信用し過ぎないこと。昔からネットをやってる人たちには当たり前のリテラシーは、今や通用しないのかもしれないけど。