若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

6才のボクが、大人になるまで。

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原題:”Boyhood

淡々と過ぎていく日々はリアルで、本当の家族の12年間を見ているよう。

6歳のメイスンは、2歳上の姉とともに母と住んでいた。若くして二人を産み、ろくでなしの夫と別れた母は、一度は諦めた大学にもう一度通うため、実家のあるヒューストンに移り住むことに。アラスカに行っていた父も地元に戻っており、一緒に遊んでくれるようになるが、母は通っている大学で知り合った教授と付き合い始める。

普通の映画のような劇的な展開のない、少年ーというか家族が過ごす12年間の記録映画。誰かが死ぬわけでもないし、愛が元の形に戻るということもない。それでも多くの人が共感するのは、6歳のメイスンの成長をまるで我が子が成長するかのように見つめることになるからだろう(子供のいない俺が言っても説得力はないが)。15歳くらいでもう酒を飲み、マリファナもやってる子供はアメリカでは典型的なのかな……そこだけは心配だな。

キャストの経た12年に合わせて脚本も書かれたそーで、毎年撮影期間の夏休みになると家族で集まってこの1年の話をし、それをストーリーに反映させたりもしたようだ。家族の皆がそれぞれ自然体の空気なのはそんな経験上のこともあるのかもしれない。ま、とにかくこの12年という歳月をひとつに、しかもこの手の映画ではありがちな「何歳の夏」みたいなのは一切入れないで切れ目なく編集したという手法は評価されるだろうなぁと。そして二度と同じ手は、この監督以外は使えない。

ということで主演の家族、メイスンにはエラー・コルトレーン。これで一気に注目されて……とはまだなっていないよーで、次回作は未定。姉のサマンサには、監督の娘ローレライ・リンクレイター。激動の人生を女として生きていく母はこの作品でオスカーを取ったパトリシア・アークエット。そして父はイーサン・ホーク。監督とは何本も一緒に撮っていて、朋友なんでしょうな、「もし自分(監督)が死んだら、君が作品を完成させてくれ」と言われてたらしい。
監督はリチャード・リンクレイター。1995年に撮った「ビフォア・サンライズ」も2013年の「ビフォア・サンセット」まで3連作とかあって、こっちは足かけ18年。こーいう作り方好きなのかも。

続編も考えているというこの作品、上記のシリーズのように続けばきっとメイスンが結婚して子供を産んで……みたいなことになるのかなぁ。それは見てみたいような、でもやっぱり何とも言えない純粋な輝きはもう見れないだろうとも思ううよーな。

Written by ei

3月 20th, 2015 at 2:28 am

Posted in Movies,Roadshow

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