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Runnin' Wild

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

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原題:”The Imitation Game

結局戦争やるヤツぁ愚か者っていう話かもしれず。アラン・チューリングがいたら、現代のコンピュータ・サイエンスはもっともっと進んでいただろうに。

天才数学者と言われたアラン・チューリングは第二次大戦時、軍から呼出を受ける。彼への依頼は、当時ナチスドイツが使用していた解読不能を謳われた暗号機「エニグマ」の暗号解読だった。使用文字の頻度から解読を試みる同僚に対して、アランは「機械に対抗するには機械しかない」と暗号解読装置を考案。反対する軍部の頭越しに時の首相、チャーチルに直談判して解読チームの主導権と解読機の資金を手に入れる。「クリストファー」と名付けたアランの巨大な機械は、果たして難攻不落のエニグマを攻略できるのか?

今でこそ「コンピュータ・サイエンスの父」と呼ばれるようになったアラン・チューリングの、正に数奇な人生の物語。てか何が腹が立つと言って、これだけの偉人を護ることもせず見殺しにしたイギリス政府や軍部の所行。彼がエニグマを解読したおかげで戦争が2年も早く終わり、1千万人以上の命が救われたというのに、「軍の機密」であるという理由でチューリングの同性愛の罪(当時は罪だったそーな)を擁護することなく放置して、結局自殺(事故という説も)に追い込んだ。不世出の天才を、そんなくだらない理由で。なんという無駄。怒りしか沸いてこない。

映画としてはそんな彼の内面の葛藤も含めてよく描かれていて、戦争映画というよりは偏見によって理解されない男の苦しみを描いたものになっている。変わり者ベネちゃんもよく似合っていて(「Sherlock」を見てるからそう思うのかも)、評価も高い。さらに2015年にはチューリングと同じ時代に同性愛者だったという理由で「科学的去勢」を行われた人たちに対する恩赦を求める活動も開始されたそうで、映画が与えた影響は大きかったと言えるかもしれない。

てことで主演はベネディクト・カンバーバッチ。「Sherlock」で一躍注目を浴びた彼も、今や押しも押されぬ大スター。今回オスカーは届かなかったけど、まだまだ若いし次もある。今回の演技も非常に良かった。共演にはキーラ・ナイトレイ。あまり好きじゃない(笑)んだけど、今回はある意味彼女で良かったのかもしれないなと。他にはマシュー・グッド、マーク・ダンス、チャールズ・ダンスなど。戦時中の暗号解読は男の仕事だったらしい。
監督はモルテン・ティルドゥム。英語作品デビュー作がコレとはなかなか。あ、同い年だ。

ベネちゃんファンなら当然、コンピュータに関わる人たちにも必須、いろいろな偏見に立ち向かっている人たちも観るべきいい映画です。

Written by ei

3月 15th, 2015 at 12:01 am

Posted in Movies,Roadshow

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