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Runnin' Wild

アメリカン・スナイパー

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原題:”American Sniper

ブラッドリーがオスカー欲しくて製作までした!と言われた映画。クリント・イーストウッドまで使ったのに残念でしたな。

カウボーイのような気楽な生活をしていたクリス・カイルはテロの現場をテレビで見たことから、ネイビー・シールズに志願。厳しい訓練の末に配属される。イラク戦争に派遣されたカイルは狙撃手として抜群の戦果を挙げ「伝説」と呼ばれるようになるが、本国に戻っても守れなかった戦友や戦地のことが忘れられず、家族との溝は深まっていく。そして四度目の派遣で、カイルはずっと追跡してきたテロリスト側のスナイパー「ムスタファ」をついに発見する。

実在した人物「クリス・カイル」が凶弾に倒れた2013年までを描いた本作。かつてアカデミー賞への近道は戦争映画を撮ることだったんだが最近は決してそうでもなくて、それはアメリカの嫌戦ムードのなせる技なのか、時代が変わったのか。映画そのものは実在の人物を描いていることもあって非常にリアリティがあり、臨場感のある映像に仕上がっている。

主人公の生き方に関しては、人によって受け取り方が大きく違う気がする。クリスを「ためらいなく殺す人殺し」と見るか、「テロリストから国や戦友を護った愛国者」と見るか。俺としては、彼は「誰かを助ける」という使命感を持って、信じたもののためにためらいなく殺して、生きたのだから悔いはないだろうとしか感じられなかった。戦地から帰った多くの人たちが「人を殺した」ことの罪の意識に苦しんでいたのに対して、彼は「戦友を助けられなかった」ことに対して苦しんでいたわけで、それはたとえ100人以上を殺していたとしても精神的トラウマとしては軽かったのではないかと……まぁそれは勝手な思い込みだし、そんなトラウマに決して捕らわれることのない日本人の想いなのかもしれないけど。そーいう意味では彼の心情に入り込むことはできなかったのが残念。

主演はブラッドリー・クーパー。「世界にひとつのプレイブック」でも「アメリカン・ハッスル」でもオスカーに届かなかった彼がなんとか欲しかったであろう像は、今年も届かなかった。まぁ3年続けてノミネートされれば十分でしょう。奥さん役がかわいーなと思ったらなんとシエナ・ミラー。元々美人だったとは思ったけど再確認しましたね。
監督はクリント・イーストウッド。

結局、平和な国で惰眠をむさぼる日本人には理解できないところもあるよなーと。ただ「正義」の意味は見る方向によっても違うってことがわかってきた自分にとって、戦争映画はやはり気持ちのいいものではないなと。

Written by ei

3月 14th, 2015 at 5:20 pm

Posted in Movies,Roadshow

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