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Archive for 2月 23rd, 2010

アップルは表現の自由に踏み込むのか

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si2010.jpgここ数日でアップルが水着やちょっときわどいアプリを削除してるそーで、なんかiPadを前にいったい何やってんだ?と思ってしまう。

以前から言われてたApp Storeの問題点は、「許可基準がはっきりしない」こと。今回のこの問題はそれをさらに助長する形になっている。削除されたアプリが大量に……5000本以上?ある割に、未だ削除されてないアプリがある。例えば画像のSports Illustratedはビキニ画像が満載なのに消えてない。でも小倉優子は消えたり消えなかったり。この基準はいったいどこから来るんだ?

iPhoneにはちゃんとratedを指定できるページがある。このページで指定し、アプリにもrate指定を厳しく課し、さらにちゃんと「グラビア」カテゴリを作れば、問題のあるものを子供に見せることはできなくなるじゃないか。そもそも、Safariを使えばどこにだって繋がる。それはつまりどんなに問題のあるページだろうと見ることができるということだ。
最初から大きな漏れ口のあるバケツの、よく見える亀裂だけを塞いで取り繕ったとしてそれに何の意味があるのか。これは逆にどーしようもない結果ー多くの一般ユーザーの不利益と不信に繋がると言わないだろうか。

そして心配になるのは今後、これらの施策はiBooksにも及ぶのかということだ。出版物に関しては、「言論の自由」や「表現の自由」が認められている。日本は実はわいせつ表現はそれなりに規制されている(でもそれは日本らしさでもあるし、日本のこれらに対する妄想力の根源は実はここにあると思ってたりする)が、これらの自由はやはり保証されるべきものであり、恣意的に何者かによって規制されるべきものではない。スティーブン・キングの小説で人が生きたまま食い殺されたら規制するのか。ハーレクインロマンスのワンシーンが過激な性描写だったら規制するのか。取捨選択はあくまでも受け取る側に任されるべきであり、提供する側が行うことではないはずだ。

そしてそれらの規制は日本の漫画を世界に出すときに必ず問題になる。日本の漫画の一部はグロテスクだったり、猥雑だったり暴力的だったりする。これらも含めて表現だが、果たしてアップルは口出しをするのだろうか。だとすれば21社連合以上に大きな壁は、アップルということになる。

という話を今回、野間先生のコメントもいただいて東京IT新聞に書きました。(笑)よろしければお読みください。
#野間先生、あざーっす!

【追記】
コメント欄で「表現の自由の侵害ではなくセレクト。表現の自由は言い過ぎ」との指摘を受けました。確かにそう考えればそうですね。アップルが提供しているのはそれらのものを閲覧する手段のひとつに過ぎないし、そーいうものが見たければアップル以外の道を選べばいい。

ただ個人的にはやはりiPhone/iPadという環境を便利に利用したいし、そのためにはいろいろなものが使えて欲しい。電子書籍による出版業をiBooksで目指すなら、やはり表現者の自由を守る立場であって欲しいとも思います。

あー、なるほど。つまりアップルの立場が「こちら側」に寄り添っていないように見えるのがヤなんですね、きっと。規制する側=体制側という見方をしてしまう自分の問題なのかもしれません。

Written by ei

2月 23rd, 2010 at 12:21 pm

Posted in Apple,iPhone

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