若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

コロニア

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原題:”Colonia”(2015)

ハーマイオニーの美しい姿を愛でようと思ってたらとんでもない映画でびっくり。しかも実在した施設だとは。世の中まだまだ知らないことがたくさんあるなぁ。

1973年、スチュワーデスのレナは乗務員としてチリに。当時のチリは社会主義政権が誕生して政情不安な状態。レナの恋人でジャーナリストのダニエルは政権を支える運動に参加しながら取材を行っていた。そのとき軍事クーデターが起こり、政権が崩壊。チリはピノチェト将軍を首班とする軍事独裁政権に移行。ダニエルは不穏分子として逮捕されてしまう。ダニエルを連れ去った車を見たレナは、その行き先がドイツ人が形成するコミュニティ「コロニア・ディグニダ」であることを突き止め、単身で潜入する。しかしそこは想像を絶する異常な場所だった。

エマが出てる!見よう!と思って借りたのでストーリーも何も確認してなくて、最初見始めたときは「あれ、これ革命の話なんだっけ」ととぼけたことを考えてたんだけど、なんとまーナチ残党の話だったとは。しかももうナチでさえなくて、異常な指導者に付き従う盲信者の集団。さらに怖いのはこれが実話を元にしているという点か。コロニア・ディグニダは実際にチリに存在していて、映画にも出てくるパウル・シェーファーという(男児性愛という変態)指導者は元ナチ党員。中にはアウシュビッツにいた「死の天使」ヨーゼフ・メンゲレ(「ブラジルから来た少年」のグレゴリー・ペックですね)もいたらしいとか、武器弾薬、戦車に毒ガス兵器まで持っていたというから一体何をしようとしていたのかと。とにかく気持ち悪い。マインドコントロールしてたんだろーなーとか……ああ、そうか、オウムか。だから気持ち悪いのか。実際、オウムのアレを映画にしたらこんな感じなんだろーな。

ちなみにチリのクーデターを起こさせたのはCIA。当時は冷戦時代で、あの場所にキューバに続いて社会主義政権ができるのが我慢できなかったらしい。でもその後の左翼狩りや軍事独裁政権が良かったはずはなく、3万人以上の人が殺害され、数十万人が強制収用所に送られたというし、経済的にも大打撃を受けている。ホントにアメリカは自分たちの「正義」を振り回し過ぎる。

主演はエマ“ハーマイオニー”ワトソン。美しくなりました。今年はいよいよ”Beauty and the Beast”もくるし、そのあとトム・ハンクスと共演するSFスリラー映画”The Circle”も公開といよいよ女優業に本腰って感じ。そろそろハーマイオニーの名前は取るべきかなぁ。(笑)共演はダニエル・ブリュール。ああ、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のジモ大佐の人か。そして変態 パウル・シェーファー役にはミカエル・ニクヴィスト。
監督はフォローリアン・ガレンベルガーというドイツの監督。てかこの映画、ドイツ・ルクセンブルグ・フランス合作なんですな。

ということで美しいエマに釣られて見たら痛い目に合う映画。でも彼女の体当たりな演技はなかなか見所です。

Written by ei

3月 2nd, 2017 at 9:17 am

Posted in DVD,Movies

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