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Runnin' Wild

アップサイドダウン 重力の恋人

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原題:”Upside Down”(2012)

とても幻想的なSFおとぎ話。世界観がしっかりしていればSFは成立しますね。

ある双子の連星があった。二つの星の住人は空を見上げると常に相手の星の地表が見えていた。二つの世界はお互いに重力を持っていて、その重力は自分の星のものにしか作用せず、しかも相手の世界のものに触れると高熱になって燃えてしまうという性質があるため、お互いの世界の人々は交流を禁じられていた。ある日、下の世界に住む少年 アダムは上の世界の少女 エデンと恋に落ちるが、それは禁断の恋だった。

SF映画の成功要素の6割は世界観の構築にある。どんなSF映画も舞台となる世界が滑稽でどーしようもないと、気持ち良く見ることができない。その点で言うとこの映画の世界はかなり突拍子も無く、だまし絵の世界のようにも見えるけど、ちゃんと最低限の論理は通っていてまぁ納得できる。できない部分は確かにあるんだけど、まぁそこは置いとくとしよう。(笑)

そしてこれはある意味、上流階級と下層階級の格差を暗喩しているわけで、科学の進歩によっていつかユートピアを築くことができると言う、60〜70年代のSF華やかなりし頃の思想を感じる。子供の頃、輝かしい未来を見せてくれたハインラインの小説に出てきそうな世界。それはやはり楽しい。

さらに映像が美しく、絵画的。アダムとエデンが追われて逃げるシーンは、まるでジブリのアニメのワンシーンを見てるような感じさえある。この映像を見るだけでも十分に価値がある。

主演はジム・スタージェス。「鑑定士と顔のない依頼人」は見たはずだけど覚えてねぇー。最近はTVシリーズが多いようで。ヒロインにはキルスティン・ダンスト。美しいと言われる彼女ですが俺はイマイチ好きじゃなくて。でもこの映画の彼女は綺麗。ティモシー・スポールはハリポタのペティグリューの人ですね。今回はいい人。
脚本、監督はフアン・ソラナス。

ボーイ・ミーツ・ガールな映画でもあり、ファンタジーでもありなかなかの良作。ラストを一気に畳んじゃった感がちょっと残念。

Written by ei

5月 10th, 2017 at 9:36 am

Posted in DVD,Movies

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