若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

パンズ・ラビリンス

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原題:”El laberinto del fauno”(2006)

暗黒版「不思議の国のアリス」。そもそもオフェリアの空想なのか、それとも現実に起こっていることなのか。まぁ、それこそがファンタジー。とても悲しいお話です。

スペイン内戦後の独裁政権下。内戦で父を亡くしたオフェリアは妊娠中の母と共に、再婚相手のヴィダル大尉に引き取られた。無情にレジスタンスを掃討する大尉は、生まれて来る自分の跡取りしか気にかけておらず、母の命も顧みずオフィリアにも冷たく当たる。空想がちのオフィリアはある日、妖精に導かれて森にある迷路へと迷い込む。迷路の奥には森の番人 パンがいた。

デルトロ作品の中でも最も評価の高いこの映画。独裁政権下の暗い世の中で夢も希望も見出せない女の子が妄想の中に逃げ込むという展開で、それが現実とリンクしながら進んでいき、最後は悲しい結末を迎える。戦時下の厳しい時代を舞台にしてファンタジーに寄り切らなかったことが、最後まで締まった脚本になったんでしょうな、アカデミー賞で撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞、脚本賞、外国語映画賞、作曲賞にもノミネートとこの手の映画としては珍しく(しかも外国映画)たくさんの賞を取ってます。これだけの成果を残せば、ホビットシリーズの監督に抜擢しようとしたピーター・ジャクソンの気持ちも理解できる。

主演はイバナ・バケーロ。この映画のあとバルセロナのアメリカン・スクールを卒業して、今はnetflixで配信されている「シャナラ・クロニクル」に出演中。他にはダグ・ジョーンズ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ。
脚本・監督はギレルモ・デル・トロ。

ファンタジーとして見ても十分に完成度の高い映画。悲しい現実から逃げ出せたのは彼女に取っては良かったのかも。

Written by ei

3月 17th, 2017 at 9:44 am

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