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Runnin' Wild

ターザン:REBORN

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原題:”The Legend of Tarzan

ジャングルの王者ではなく、本来の貴族としてのターザン・グレイストーク卿ーと言っても結局、ジャングルのために戦うんだけどーを描く映画。毛唐(酷い)どもの酷さがよーくわかる。

ジョン・クレイトンことグレイストーク卿は、ベルギーの開発を監視するという名目でコンゴに赴くことになった。そう、彼こそ両親が遭難したためにコンゴに生まれ、ゴリラたちに育てられた伝説の「ターザン」だったのだ。しかしそれも既に昔の話、彼は文明社会に戻り、貴族として人間の生活に戻っていた。しかし最愛の妻 ジェーンとともにコンゴに向かった彼には、罠が仕掛けられていた。

TVのターザンは雄叫びも勇ましくジャングルを飛び回るイメージがあるけれど、今作のターザンは原作の設定を使った新たなターザン像を描き出している。そーいえば原作は「火星シリーズ」や「ペルシダーシリーズ」のエドガー・ライス・バロウズ。なるほど、これはどちらかというとSFとかファンタジーの分野ですな。

また今作のテーマの一つは文明社会が無秩序に、好き勝手に未開の地を征服していくことへの批判。黒人を人として扱ってないとか、アフリカの資源は白人が好きにしていいとかの傍若無人ぶりにはただただ怒りしか湧いてこない。よくもまぁこんな奴らが「文明社会」を名乗るものだと。人間が人間を悪気もなく殺していく社会のどこが文明社会か。19世紀なんだから仕方ないだろ?的な言い方をするのかもしれないけど、本質はきっと変わらない。それなのに今になって鯨を取るな、あれは知的な生物だとか。あんたらが殺し、奴隷にした人たちは同じ人類だぞ。人は自らの罪を隠すために他人の罪を責める。まさにその通りですな。

さて主演はアレクサンダー・スカルスガルド。スカルスガルドってひょっとして、と思ったらやっぱり「マイティ・ソー」シリーズのセルヴィク教授 ステラン・スカルスガルドの息子だった。最愛の妻 ジェーンにはマーゴット・ロビー。全米公開と同時に大ヒットを記録している「スーサイド・スクワッド」(評論家酷評で一時はどうなることかと思った)のハーレクイン役が楽しみなところ。なんと”Untitled Harley Quinn Project“ってハーレクインのスピンオフもあるのか!そしてアメリカンなガンマンにはどこにでも出てくるサミュエル・L・ジャクソン。役名が「ジョージ・ワシントン」ウイリアムスなのは、解放奴隷なんでしょうね、きっと。そしてもー殺しても殺したりないくらいの悪役ぶりがやっぱりよーく似合うクリストフ・ヴァルツ。やっぱりこの人は悪役だな、うん。
監督はハリーポッターシリーズの後半4作を担当したデヴィッド・イェーツ。次作もハリポタのスピンオフ 「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(パート2も既に決定済み)と、この世界からはなかなか抜けられないよーです。

しかし同じ時期にこの手の動物映画(日本ではもうじき「ジャングル・ブック」が公開)が出てくるってのは、どこかでまたリアルなCG動物を描くっていうブレイクスルーがあったってことなのかなぁ(「ライフ・オブ・パイ」の映像は凄かったけどもう3年も前)。同じ素材を使った別作品が同時期に公開って良くあるよね。

Written by ei

8月 8th, 2016 at 12:26 pm

Posted in Movies,Roadshow

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