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Runnin' Wild

ゼロ・ダーク・サーティ

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原題:”Zero Dark Thirty

多くのインタビューを基に書かれ、ドキュメンタリータッチで描かれた内容は実に生々しい。ま、死んだ男が本物なのかどうかは別として、ですがね。ちなみにタイトルは、軍事用語の「00:30」時のことだそーな。

世界を変えた事件、911からアメリカは首謀者と思われるオサマ・ビン・ラディンとそのテロ組織アルカイダを追い続けていた。新たにこの任務に就いたCIAのエージェント マヤは様々な情報を集めて分析していくうちに、オサマの連絡係の男の存在を突き止める。この男の所在は?そもそも本当にいるのか?同僚を失い、自らも命を狙われながらも、マヤはとうとう男の居場所を発見する。そしてその場所には、決して外に出てこないもう一人の「男」がいた……。

そもそも911はアメリカの陰謀という説もあるくらいで、そしてこのオサマの死も確認したのはアメリカだけで、多くの替え玉の一人だった可能性も未だに否定されないわけだ。それはオサマという人物が都合良くテロの首魁として現れ、その後10年もアメリカの「テロとの戦い」という大義名分の支えとなり、さらにオバマ政権がそれを終わらせたという「実績」を作るために死んだと考える人がいるからだ。実際、オサマの死体は暗殺時のあの映像以外は残っておらず(死体そのものは水葬にされた)、あらゆる証拠もなぜか存在しないことになっているらしい。つまりアメリカにとってとても都合の良い存在がオサマ・ビン・ラディンであり、CIAのエージェントだったと言われても((笑)実際そーいう説もあった。何人かいる男のうちの一人だと)さもありなんといったところだ。

そしてもうひとつ、アメリカがよく使う手が「映画を作って事実を補強する」という行為。どこかの国のように百回言えば嘘もほんとになるではないが、映画にして自国の説を事実化するというのは常に行われていることだ。そのような背景を見てみると、オサマ暗殺から1年ちょっとでここまで細かな内容の映画が出てきたことも頷ける気がする。しかも監督は「ハート・ロッカー」でアカデミー賞を取ったキャスリン・ビグローだ。注目を集めないはずがない。もしこの映画がこのままオスカーまで取るようなことになれば、アメリカの陰謀だ!という声はまた強くなるかもしれない。

ま、そんな陰謀論はおいといて、映画としては時系列なドキュメンタリータッチで軍事映画として良くできてる。実際の事件に関するいくつかのリンクを追ってみたがそれらの報告に即した内容になっており、さらにシールズの作戦内容やステルスのブラックホークなど軍ヲタな人も楽しめる。主役のマヤは、きっとこの映画を撮ることで事件を追体験したキャスリン・ビグロー本人を表すのだろう。

主演はジェシカ・チャステイン。強い女。えーと知り合いによく似てるのは気のせいですよね。すでにゴールデン・グローブの主演女優賞を取っていて、このままの勢いでオスカーにも手が届くか。ほかにはジェイソン・クラーク、ジェニファー・イーリー、マーク・ストロングなど。
監督はキャスリン・ビグロー。残念ながらオスカーでは監督賞はノミネートされず。でも他の賞は総なめ。

果たしてオスカーレースでは「リンカーン」最本命に対して対抗馬になれるか?とりあえず日本公開されてて観た映画の中では「アルゴ」の方が好きかなぁ。

Written by ei

2月 21st, 2013 at 1:04 am

Posted in Movies,Roadshow

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