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Runnin' Wild

グリーンブック

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原題:”Green Book

この映画を持ってしても、「白人から見た人種差別の映画だ!ダメだ!」と言われてしまったら、登場人物もスタッフもキャストも全員黒人にする以外ないよね。まぁそれだけ人種差別が強かったということなんだろうけど。ある意味「声が大きい方が勝つ」という、某国のような……。

ニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒として働くトニーは、仕事先が改装工事で休業するため、新しい仕事を探すことに。「医者の運転手」と思って面接に行った先は、アフリカ系アメリカ人のピアニスト ドン・シャーリーのところだった。まだ黒人への差別が根強く残る南部への8週間の演奏旅行の用心棒兼運転手の仕事。トニーは黒人でも受け入れてくれるモーテルやレストランが掲載された「グリーンブック」を持って旅に出発する。

実在の人物をもとに描かれたこの映画、オスカー作品賞を受賞。シリアスな部分とクスッと笑える部分のバランスが絶妙で、楽しみながら考えさせられる良い作品になっている。ま、「バディものでロードムービー」ってアタリ多いしね。しかも途中で使われる音楽も素敵。

ドン・シャーリーという人は、生まれがジャマイカで小さい頃からピアノ教育を受け、クラシックに進みたかったという。スラム生まれじゃない黒人はその仲間に入れない。かといって当時の白人社会ではもちろん自分の場所はない。そしてゲイ。彼の居場所はどこにもなくて、ただただ孤独だったのだろう。一方のトニーも実際にはイタリア移民の子で、犯罪率の高いブロンクス出身。黒人に対する偏見は持っていたものの、ドンのピアノを聴き、共に旅を続けるうちに差別意識を恥ずべきものと感じるようになる。そして二人は人種、性格の違いを乗り越え、友情を築いていく。

そもそもアメリカって国はヨーロッパからやってきた人たちで、言ってみれば全員が移民。黒人を奴隷として強制的に連れてきたお前らに彼らを差別する権利はねぇ!と思いもする。まーそういう意味で、「白人が黒人を助けて気持ちよくなれる映画」と黒人社会では捉えられてしまうわけで。でも少なくとも歩み寄ろうとしている白人を、ダメだ!と拒絶し続けるだけでは、お互いの溝は埋まらない。結局、意識を変えて互いに歩み寄るーこの映画の中でも描かれているその姿勢こそが必要なんじゃないだろうかね。被害者意識だけを声高に叫んでいるうちは、厄介な人々としか思われないよ。

トニー・リップにはR.O.T.Rの時代から一体何キロ増やしたの?っていうくらい顔もお腹もパンパンになって誰だか分からなかったヴィゴ・“アラゴルン”モーテンセン。まだ大きな賞が取れないけど、きっとその日は近い気がする。Dr.シャーリーにはマハーシャラ・アリ。2度目のオスカー 助演男優賞。TVシリーズから映画の世界に進出して、最近はホントに引っ張りだこ。
監督はピーター・ファレリー。「Mr.ダマー」シリーズの人がねぇ。

テーマそのものは暗いのに、最後まで笑って楽しく観ていられるのは監督のおかげかもね。

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Written by ei

4月 3rd, 2019 at 11:24 am

Posted in Movies,Roadshow

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2 Responses to 'グリーンブック'

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  1. 途中から あ、これは「48時間」だな。って思いながら観てました。
    「バディものでロードムービー」って観ればいい作品。
    しかし、アカデミーの作品賞か、と言われれば???
    いろいろ忖度したのでは?と邪推してしまう。

    司会者不在の件もそうだけど、アカデミー賞、アメリカ映画界 いろいろ曲がり角に来ているような気がする。

    biomax

    3 4月 19 at 16:49:13

  2. 最近のハリウッドだけでなく、世界的におかしな流れがきているように思います。黒人設定じゃないキャラに黒人を当てたり、女性にしたりとか、それこそ忖度。そーいう縛りこそ差別なんじゃないですかねぇ。

    ei

    4 4月 19 at 0:12:47

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