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Runnin' Wild

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ

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原題:”Genius”(2016)

Wikiとかを読んでみるとトムとパーキンズの関係まで含めてほぼ実話。原題アメリカ文学の中で重要な作家であると評されているのに日本では絶版だそーで。それも残念な話ですな。

出版社 チャールズ・スクリブナーズ・サンに持ち込まれた長編原稿。フィッツジェラルドやヘミングウェイを世に送り出した編集者として有名なマックス・パーキンズは、「長すぎる」と言われてたらい回しにされていたその小説に興味を示し、作家 トーマス・ウルフと出会う。大変な編集作業の末に出版された「天使よ、故郷を見よ」はベストセラーになり、トムは天才と持て囃されるようになる。

登場人物のWikiを読んでみるとほぼ実話。長い長い小説を削りまくる、どんなときも帽子を被っているパーキンズの姿や、強い情熱を持ち、詩的で興奮するとちょっと吃音になるウルフ、気弱で自分の作品が売れないと嘆くフィッツジェラルド、そして海に出て魚を釣っているヘミングウェイ(笑)。パーキンズがその時代に付き合ってきた作家の姿が非常によく描かれている。パーキンズとウルフの関係性が父と子のようだったことや、最後に送られた手紙のことも、全て事実だそうな。まるでフィクションのような実話、そして事実は往々にして物語よりも面白い。台詞もとても詩的で美しく、良い映画だ。

パーキンズにはコリン・ファース、トムにはジュード・ロウ。この二人のぶつかり合いも見もので、ベクトルも熱量も持っている物も正反対の二人が、自分にないものを相手に求めつつ、相手のことを認めて編集を進めていく戦いが描かれている。このクラスの役者同士でないと、がっぷり四つに組むこの戦いは成立しないだろう。他には二コール・キッドマン、ローラ・リニー、ガイ・ピアースなど。
監督はマイケル・グランデージ。TVドラマ俳優としてのキャリアの方が長い彼の監督作品 1作目。

Wikiを見ると酷評っていう話だけど、あの二人の関係性はこれくらいでないとだめなんじゃないかと。作家は魂を削って言葉をつむぎ、編集者はその言葉を削って世に送り出す。編集作業とはすなわち魂のせめぎ合いであり、そしてそれはお互いの間に信頼関係があるからこそ成り立つものなのだから。

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Written by ei

4月 29th, 2017 at 10:01 am

Posted in DVD,Movies

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