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Runnin' Wild

ぺんてる airpenセミナー

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airpen_01.jpg一言で言うなら「とっても残念」。モノ作りの姿勢は凄くいいだけに、もっと精度を望みたいところ。

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このレビューは家電・PC・携帯・ゲームレビュー・クチコミサイト「みんぽす」から招待されたセミナーに参加して掲載しています。(詳細は末尾で)
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さて今回のモノフェローズのセミナーは、ぺんてるの発売しているデジタルペンシステム、「airpen Mini」。ずっと以前にCEATECあたりでその前の製品ストレージノートは見たことがあったんだけど、それがさらに小さく、さらに手頃になったというので、データベース屋としては興味津々。是非とも!と参加させてもらったわけです。

ぺんてるはすでに60年以上の歴史を持つ筆記具の老舗。ぺんてる筆ペンとか絵の具とか、シャーペンの芯とか消しゴムまでとにかくいろいろ出している。
プレゼンの前半は、ぺんてるの筆記具に対するこだわりをいろいろと見せてもらう。エルゴノミックスシリーズという一見すると変わった形状のペンだが、書きやすく疲れにくいペンを作るにはどうすればいいかを試行錯誤したもので、可動式で人によって握り位置を変えられるペンが完成するまでをいろいろと見せてもらった。 しかもこの握りの稼働位置のギミックがなんというかすげー。スイベル式というのかキュッキュッと伸び縮みする様は、意味もなく動かしてしまう気持ちよさ。書き味も確かに変わるのが分かって面白い。

airpen_02.jpg airpen_03.jpg airpen_04.jpg

そして後半はairpenの話。目指したのは「普通のボールペンのようなデジタルペン」ということで、確かにこれまでのデジタルペンやNokiaのアノトペンはどうしてもデジタル化のための基盤やセンサーのために普通のペンになりにくい。そこをいかに普通のボールペンにできるかというのにこだわるところがさすがは筆記具のぺんてるらしいところと言えそうだ。
これまでは他社のデザインを使っていたものを今回は自社開発。Yシャツのポケットに入る長さや握り径にこだわっていたり、センサーが働くスイッチを素材まで(素材メーカーにこんな使い方は想定してないと言われたとか)こだわって作る。さらにキャップをしたときの「音」(あの音ひとつにもひじょーにこだわりがあるそうです)、リフィル(ペン部分交換)のしやすさ、耐久性とまさに日本のモノ作りの姿勢が現れているいい話だった。

さて実物を見てみよう。

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airpen miniはこれまでのものより小型化にもこだわって、一番左の写真のように書く紙にクリップのように挟み込むだけで使用可能だ。この状態で紙に文字を書くと、その情報を受信部が記録。USB接続でPCに取り込めるようになっている。USBで繋いだままにしておけばペンタブレットのように使うことも可能だ。
ペン先はまさにふつーのボールペン。細さも握りやすい細さだ。このボールペンの先から5mmくらいのボディ部分にセンサーが入っており、この動きを受信部が記録するという仕組み。しかしこの5mmの差が微妙な誤差を生んでいたりもする。

一番右がこのデータを取り込んで認識するソフトウェア(クリックで拡大)。手書き文字をちゃんとデータに変換できる。精度は、これはまちまちというか、もう少し精度が上がって欲しい。もっともこれは、書く方の文字の綺麗さにもよるのかもしれないが。
この画像はアンケートフォームへの記入でどの部分をデータ化して取り込むかということを指定できる設定画面になっている。 名前と年齢、あとはチェックボックスへのチェックの有無(0か1)を認識し、データ化する。ではこれを普通の手書き伝票やカルテに応用できるかといえば、残念ながら現在の精度では難しいと言わざるを得ない。ソフトウェアは辞書を持って認識するらしく、よく使う単語などを辞書に登録することで精度をあげることもできるという。しかしカルテは表記が日本語だけでなくアルファベットだったり、ドイツ語だったりすることもある。そのような漢字、アルファベット混じりの文章が一番苦手だそうで、このへんの認識に関してはもっとソフトウェアの精度を上げることが必要だろう。特にカルテというその人の命に関わるかもしれない部分では、認識不可は許されないのだから。

しかしそれではまったく使えないかといえばそーでもない気もする。上記のようなアンケートは外来患者の問診票などには利用できるだろうし、カルテのすべての文字を認識できなくても検索タグとして使う部分をチェックボックス式にするなどし、残りは「手書きデータのまま」関連付けを行えば、手書きカルテをそのまま検索可能なデータベースとして機能させることはできるだろう。もちろん全てがデータ化されることが望ましいのは事実だが、データ化によって医療の現場が円滑に動かない方がよっぽど問題。これまで殴り書きしてたカルテを枠からはみ出さないように書いて時間がかかるのでは本末転倒だ。使いやすい形にするのはソフトウェア屋の仕事だと思う。

価格も安く、ちょっとしたメモを残すということであれば問題なく使えるレベルにはなっている。これから先、日本のモノ作りの姿勢でもっと精度を上げ、もっと使えるデジタルペンになってくれることを希望したい。もちろん仕事に使いたいから。w

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Written by ei

6月 14th, 2009 at 9:43 pm

Posted in Events,Gadgets

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2 Responses to 'ぺんてる airpenセミナー'

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  1. これってMVpenのOEMかもですね。形がほとんど同じというかボタンの配置も同じですよ。

    alfabeat

    17 6月 09 at 21:51:10

  2. ペンの設計はぺんてるでやってるということでした。たぶんそこは譲れないところなのだと思います。

    ei

    17 6月 09 at 23:39:46

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