若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

BU・SU

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Wikipedia(1987)

懐かしい、30年前の東京。ちゃんと青春を燃やせなかった人へのドラマ。

高校3年生になって都内の高校に転校してきた森下麦子。いつも下を向いていて暗いイメージの彼女だが、叔母が営む神楽坂の置屋で芸者の修行をしていた。前の学校で「訳あり」だったこともあって、なかなか周囲に溶け込めない麦子。しかしクラスの子からの嫌がらせに近い無理押しで、文化祭の舞台で「八百屋お七」を舞うことになる。

高校時代、いや十代のあの頃、自分はちゃんと青春を燃やせていただろうか。俺にとっての一番楽しかった時代はやはり中二の頃から、卒業までで、高校時代はあまり燃え上がるよーな気持ちは持てなかった記憶。どこか醒めた目で物事をはすっぱに見ていて、他の人とは違う、でも実際には思い通りにいかなくて、ちっぽけな自分とのギャップがなかなか埋まらない。……誰もがそうやって、青春時代を悶々として過ごすのだと気が付いたのはようやく、あの頃を客観的に見れるようになってからのように思う。

この映画はそんな、誰もが何か自分が本当に賭けられるものを探している不安定な18歳の子たちを描いた映画で、見ているとあの頃の自分を思い出して恥ずかしくもなるという……。当時はそんな目では見れなかったなぁ、富田靖子出てるだけでいいやーみたいな。ホントに目の前、何も見えてなかったんだなぁとつくづく思う。

そして今見るととても豪華なキャスト。主演は富田靖子、まさに18歳の頃。福岡から出てきて不安な日々も過ごしたであろう彼女の想いは、あの頃どうだったんだろうかね。置屋の女将さんには大楠道代、その娘に伊藤かずえ。彼女と恋仲になる男がなんとイッセー尾形。あの何者にもこだわらなさそうに見える人が、こんな強い想いを持つ役とかやってたんですねー。他には室井滋、白島靖代、広岡由里子、そして高嶋政宏。若い。
監督はこれが初監督作品だった市川準。

最後までほぼ、笑顔がない富田靖子。彼女もきっとアイドルと女優との狭間で色々悩んでたろうなぁと。どこに進むかわからない、子供と大人の狭間でもある18歳、誰もが感じた想いをこの映画を見て思い出してみよう(そして恥ずかしくなるw)。

Written by ei

2月 7th, 2017 at 9:18 am

Posted in DVD,Movies

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2 Responses to 'BU・SU'

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  1. 先日「海街diary」を観まして、広瀬すず(の雰囲気)がデビュー時の富田靖子に似てるなぁ、と思ったものでした。
    「アイコ十六歳」「さびしんぼう」「姉妹坂」は観てるけど、今作は未見なんですよねー。

    biomax

    7 2月 17 at 22:54:28

  2. 広瀬すずがトミヤッコに……(ちょっと回想)。んー、なぜかその印象はなかったですね、「海街diary」のすずはとても似合ってたと思いましたが。
    実は「さびしんぼう」の撮影のときに尾道を駆け回ったんですけど、撮影してるところを見つけられなかったという苦い思い出があります……。w

    ei

    7 2月 17 at 23:09:13

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