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Runnin' Wild

ドローン・オブ・ウォー

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原題:”Good Kill”(2014)

去年観逃した映画のひとつをDVDで。現実に起こっているドローンによる対テロ戦争を描く映画。ちょうど今公開されている「アイ・イン・ザ・スカイ 世界で一番安全な戦場」と同じテーマ(ただしあれはフィクション)ですね。

戦闘機乗りのトミー・イーガン少佐は6度のアフガン派遣ののち地上勤務になり、ネバダの空軍基地で任務についていた。マイホームから通い、家族とともに過ごせる普通の生活をしているのに、戦地にいるよりもはるかに疲弊する毎日。そう、彼はネバダの砂漠から12,000キロ離れたアフガニスタン上空を飛ぶドローンのパイロットであり、命令一つで目に見える人たちを殺していたのだった。

昨年の4月あたりに、アフガンのドローン戦争に関する記事をロイターが発信。実際にドローンを操作する端末や使われているドローンの写真もアップされているが、映画の中とほぼ同じで、映画の中で行われていたよーな「ゲーム端末を操作してたら実際の戦争だった」なんてのはもう現実なんだと知らされる。そしてこの映画では、安全な場所から実際の映像を見て人の命を奪っていくことが正義なのかと問いかける。

ただ言ってしまえば、戦争に正義などない。あるのは相手の戦力を削ぐ殺し合いだし、民間人が巻き込まれたとしても目の前の脅威を取り除けるならそれは勝利であり、勝ったほうが正義なのだ。アメリカはそんな脅威を取り除くために日本に原爆を落とし、東京やその他民間人のいる街を焼け野原にした。あのときに比べればそれは平和な戦争と言えるのかもしれない。

だからその行為によって精神を病んだからといって、我々日本人は「だったら広島の原爆を悔いろよ」と思う。今でもあれが必要だったと主張するアメリカに対しては、やはりそれを思わずにはいられない。いつかアメリカがドローンによって攻撃される日が来たら、彼らは自分たちがやっているこの戦争を考えるようになるだろうか。そして今なら小型ドローンに爆弾を積んでニューヨークのど真ん中で爆発させることは全然不可能ではないのだ。

主演はイーサン・ホーク。最近ホントに渋みのあるいい役者になりましたねぇ。今やってる「ブルーに生まれついて」も見に行きたいんだけど、もうすぐ「マグニフィセント・セブン」が公開です。共演はリブートX-Menシリーズに出てたジャニュアリー・ジョーンズとゾーイ・クラヴィッツ。そしてスタトレのブルース・グリーンウッド。
監督はアンドリュー・ニコル。「ガタカ」から数えて17年ぶりの再タッグですな。

色々と考えさせられる現代の映画。見といて損はない。

Written by ei

1月 10th, 2017 at 10:28 pm

Posted in DVD,Movies

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