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Runnin' Wild

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

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原題:”Trumbo

先日の「ヘイル、シーザー!」と合わせて、あの時代のアメリカがおかしかったんだなーということがわかる映画。あちらはフィクションまじり、こちらは実話をもとにした映画。

1950年代、アメリカは「赤狩り」の時代。ソ連との冷戦が始まり、アメリカ国内の共産党員を追放する運動が行われた。1940年代を代表する脚本家の一人、ダルトン・トランボもその一人として名指しで批判され、映画界から追放。さらに議会侮辱罪で投獄までされてしまう。それでも書くことをやめなかったトランボは、偽名を使って次々と脚本を提供。その中には「ローマの休日」や「スパルタカス」など大作も含まれていた。

「ヘイル、シーザー!」で出てきた脚本家たちはここで言われる「ハリウッド・テン」がモデル。で、そうなるとクルーニーがあの映画に出ていたことも、「グッドナイト&グッドラック」を脚本監督したこととも繋がってくるのだなぁと。そんなバックグラウンドを知って観れば、「ヘイル、シーザー!」もこの映画も言おうとしていることはわかってくる。つまりあの時代のアメリカは共産主義を恐れるあまり言論を弾圧しても良いという間違った時代だったというわけ。

実際、資本主義が正しいかと言われれば、金を儲けることが一番大切でそのためには何をしてもいい、全てを犠牲にしてもいいという考え方には賛成しかねる。でも今の世界はまたそういう方向に流れつつあるようにも思える。それを正すために、今だからこそあの時代を振り返って反省するということは必要なのかもしれない。

主演はブライアン・クランストン。俺は見てないけどTVシリーズ「ブレイキング・バッド」ですかね、代表作は。なんと今、撮影中なのが例の”Power Rangers”とか。他にはダイアン・レイン、ヘレン・ミレン、ジョン・グッドマン、そしてエル・ファニング。
監督はジェイ・ローチ。

ジョン・ウェインやカーク・ダグラスなど当時の銀幕スターが登場したりして、その点もなかなか興味深い。日本人は、というか我々の世代は赤狩りの時代をほとんど知らないので、そんなところを勉強していくと良いかもしれない。

Written by ei

8月 21st, 2016 at 5:34 pm

Posted in Movies,Roadshow

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