ルーム
原題:”Room”
主演女優賞を取ったこの映画。でもホントに取るべきだったのはジャック役のジェイコブくんだったんじゃなかろーかとか。もうこの子がいるからこの映画は救われてる。
ジャックは母と共に「部屋」にいる。部屋には天窓が一つあるだけで、扉はいつも閉まったままだ。ジャックにはこの部屋が世界の全てで、それ以上のものは必要なかった……。
ともすれば「誘拐監禁されて7年」という猟奇的な部分を強めたくなる(アクション映画にして脱出劇を描く方が簡単だし売れやすい)ところをぐっと抑えて、7年監禁された人はどうなるか。そしてその部屋ー彼にとってはそれが世界ーで生まれた子供はどうなるかに焦点を絞ったこの映画は、ジャックという天使のような子供がいることが全て。結局、ジョイ(母)が生き残れたのはジャックがいたおかげ、と考えると……まぁそれは誰の子かということとか色々問題はあるものの、この純真な子供こそが生きる支えだなぁと。そして世の苦しんでる母親たちーそれはこんな境遇でなくても、例えば離婚して一人で子供を抱え、途方に暮れている人たちにとってもそうなんだろうなと。この子の笑顔があるから頑張れる、生きていける。
特にジャックが救出後世界を知っていくシーンの何と愛らしいことか。ジョイはあの環境の中で、よくこの子を育てたよ(ある意味純粋培養w)。驚きに満ちた世界を経験していくジャックのこれからを見守りたくなりました。
主演はブリー・ラーソン。芸歴10年、主要な役をもらったことがなかった彼女が一気にオスカー・ウィナーですよ。でもそれならもー少し、彼女の演技を見たかった気もする。息子のジャックにはジェイコブ・トレンブリーは2006年生まれの今年で10歳。この子はいい子だ。演技もうまい。助演男優賞をあげたかったなぁ。この映画で一気に注目度も上がって映画、TVドラマなんかに今年はどんどん出てくるみたい。他にはボーンシリーズに出てたジョアン・アレンも出てます。
監督はレニー・エイブラハムソン。
女性が見るとまた違う感じがするのかなーと思う。もっとジョイに感情移入できたら、7年間の監禁生活を思ったら。でもジャックの可愛さはとにかく格別です。