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Runnin' Wild

マネー・ショート 華麗なる大逆転

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原題:”The Big Short

「大逆転」とあるけれど実際にはアメリカ経済の崩壊がテーマなのでちっともスカッとしません。

時は2004年頃、住宅ローンの債権を基にした金融商品が売れまくって史上空前の好景気に沸くアメリカ。どんな人たちも家を買い、またその家を担保にお金を借りて使う。そんな経済状況を不審に思ったのはトレーダーのマイケル。低所得者層が買った家のローンをまとめた金融商品が数年以内にデフォルトになる可能性があることに気がついた彼は、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ:一定の事由の発生時に生じるべき損失額の補塡を受ける仕組み)を大量購入し、もしサブプライムローンがデフォルトした場合、巨額の保険金を受け取れるような手を打つ。多くの人たちが彼の行動を笑って見ていたが、そのうち他の人たちもサブプライムローンが危険なことに気が付き始める。

専門用語がたくさん出てきて(それは一般人を煙に巻くための業界人の常套手段だ!って映画でも言ってたw)、それが映画を難しくしてしまうという点で作品賞は難しかったかなぁというのがまず一点。途中で帰ってくお客さんがちらほらいたし。でも実際にあのときアメリカで何が起こっていたかを覚えていれば、内容はちゃんと理解できる。ただここに出てくる彼らがどうやって儲けたのかというのがなかなか理解できないだけで。(笑)

そして彼らは確かに儲けたが、それは自分たちが身を置いているアメリカの金融業界が崩壊したことの証であり、それはすなわち彼ら自身が負けたことに他ならない。この映画がスカッとしない理由はつまり、実は誰も勝ってないってことなのだ。「華麗なる大逆転」なんていう邦題はとっとと下ろして「資本主義の崩壊」とかにした方がいい。原作本の「世界経済の破綻に賭けた男たち」っていうのが正しい。

そんな難しいお話をできるだけ皆が理解できるよーに、途中コミカルな描写などを加えてマーゴット・ロビー(本人)やセレーナ・ゴメス(本人)に解説させたり、登場人物が観客に話しかけたりと面白い演出もある。それでもやっぱりちゃんと話についていくのは大変なんだけど、映画として成立させてるところはさすがに今年度の脚色賞受賞作。ま、そのへんのところを原作を読んで確認したいと思ってる。

てことで「4人のアウトロー」ってのも実は間違ってるんだけど(笑)、とりあえず主演陣はクリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリングにブラッド・ピットと錚々たる顔ぶれ。他にはマリサ・トメイとか。
監督はアダム・マッケイ。とりあえず今は”Ant-Man and the Wasp”の脚本を書いてるって話のよーです。

痛快な経済逆転劇を観たいならあまりお勧めはしない(見てて胃が痛くなる方が先w)けど、自分たちが何に苦しめられたのかが理解したいという人には分かりやすいいい映画だと思います。

Written by ei

3月 11th, 2016 at 12:53 am

Posted in Movies,Roadshow

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