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Runnin' Wild

白鯨との闘い

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In the Heart of the Sea

邦題を見て予告編を見て「あの白鯨の話か!」と思って観に行くと、「ライフ・オブ・パイ」を見せられるという、もう邦題が失敗な典型例ですかね。

1850年、若き小説家メルヴィルがトマスという男を訪ねる。彼はかつて捕鯨船乗りで「エセックス号」という船に乗り込んだ際、白いマッコウクジラに襲われたという事件の最後の生き残り。白いマッコウクジラの話を小説にしたいメルヴィルはトマスにその話を聞きに来たのだが、真実はもっと辛いものだった。

主演がマイティ・ソーだし予告を見る限りもっと派手な活劇を予想するかもしれないけど、実話に基づくというこの映画はそんなドラマティックではない。人間にとって大自然は手を出すべきではないという話だったり、そうした人は天誅を受けるってことだったり。んー、なんで素直に「白鯨」をリメイクしなかったんだろう。これだけの映像なら白鯨をリメイクしても十分に迫力のあるものになったろうに。

そして日本人としてはやはり感じざるをえない捕鯨問題のこと。実は捕鯨問題は日本だけの問題じゃなく、この頃にクジラを撮りまくったのはアメリカ人。鯨油を求めて大海原を走り、油だけを採って捨てた。特にマッコウクジラね。そのおかげでクジラはいなくなり(この映画の中でさえすでに数が少なくなっている)、今がある。映画の中で「クジラは世界最大の怪物だ。倒して油を採る!」というよーなシーンがあるけど、日本人にとって、クジラは神からの授かりもの。だから全身捨てるところがなかったという。じゃ誰が乱獲して、クジラを絶滅の危機に追いやったの?という問いに、西洋は答えはしないだろうなと。そして今は、クジラを取らないことで海の中の小供物連鎖のバランスが崩れているとも聞く。さて、自然を壊しているのは一体どちらなんだろうね。

てことで主演は雷神 クリス・ヘムズワース。相変わらず脳筋な役だけどやっぱりこっちのタイプの方が似合うよね。船長のポラードには「リンカーン」だったベンジャミン・ウォーカー。他にはキリアン・マーフィーとベン・ウィショー。
監督はなんとロン・ハワードなんですねぇ。次回作はダン・ブラウンのロバート・ラングドンシリーズの最新作、”Inferno”がもう今年公開。「ロスト・シンボル」よりこっちが先になったのね。

まぁ自然に逆らう人間はしっぺ返しを食らうよと見ればよし。でも捕鯨した奴には天罰があるよという見方をすると、日本人には承服できない内容とも言えるかも。

Written by ei

1月 27th, 2016 at 2:06 am

Posted in Movies,Roadshow

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