女優霊
これがあって「リング」がある感じだなぁ。原点はここ。
映画監督の村井は自分が憧れている女優 黒川ひとみで新作を撮れることになり張り切っていた。撮影所のあちこちにあった端フィルムを使ってカメラテストを行ったが、そのラッシュには変な映像が紛れていた。どうやら数十年前に撮られたTVドラマのワンシーンらしいが、村井はその映像に見覚えがあった……。そして本撮影がスタートするが、撮影中に変なことが起こり始める。
中田監督の初期傑作というかこれが映画デビュー作だそうで、まぁつまりホラーが合ってたんでしょうなぁ。「リング」が撮影されるのはこの２年後。Jホラーブームは「リング」から始まったと言っても過言ではないと思うし、あの映画のモチーフー気配を感じる映画、見えてはいけないものが見える映画という部分はこの中にも息づいている。
この映画と「劇場霊」を比べるとなぜこっちが怖いかってのは、はっきり見えないってのがもう一番で。脅威になるものがはっきり見えない、だからこそ怖い。そのイメージがぼーっとしていて、こちらが想像する部分が大きければ大きいほど怖い。「リング」の貞子が最後まで出てこなくて怖くて、最後に出たときもやっぱり怖くて（「リング」は最初自宅で電気消してテレビで見たんだけど、最後のTVから出てくるシーンは怖くて部屋の電気をつけましたよ。（笑））、目を見て忘れられなくなる。その原点はここにあるなぁと。
主役の村井には柳ユーレイ。主演女優には白鳥靖代、共演女優には石橋けい。カメラマン役で若くて売れてない頃の大杉漣も出てます。
監督は中田秀夫。
間違いなく「劇場霊」よりは怖い。（笑）