劇場霊
全然怖くないのは見えすぎてしまうからでしょーね。ぱるるがどーのこーのというレベルじゃない。
若手女優の沙羅が新たに受けたオーディションは、気鋭の演出家として知られる錦野の新作舞台「鮮血の叫び声」。主役ではないものの役を得た彼女だったが、練習中に主演女優が劇場の屋上から転落し意識不明の重体に。主役 エリザベートの台詞も全部覚えていた沙羅にその役が回ってくる。しかし舞台上に置かれた舞台のキーとなる人形の目が動くのを見てしまう……。
「日本のいちばん怖い夜」ということでJホラー4本立ての一本目が「リング」の中田秀夫のこれ。 オールナイトでホラー映画ってことでかなり身構えて(笑)行ったのに、一本目が最後まで怖くなくてどーしよーと思った。ま、理由はよく分かる。「何もかもが見えている」からだ。
Jホラーの怖さって「見えない」ことだったりするんじゃないかと思うわけで。例えば部屋の中で開いている押入れの戸。真っ黒なその中に「何かがいる」ことが自分の頭の中で大きく想像されて、あるもの以上に怖いものを作り出す。それはひょっとすると日本の特撮技術が足りなかったことからきた手法だったかもしれないけど、見えないことというのは考える以上に怖いものを作り出す。
しかしこの映画はその一番の武器を捨て去ってぜーんぶ丸見え。なので怖いはずのものも粗だけが目立ってしまって怖いよりも笑ってしまう。うーん、中田秀夫監督はハリウッドで映画を撮ったことで日本的手法ってものを捨ててしまったんだろうかと。
まぁそんな怖くないホラー映画の主演はAKB 48のぱるること島崎遥香。映画初主演か、まぁどーでもいい。共演は足立梨花に高田里穂。劇団EXILEとかの町田啓太。
監督は中田秀夫。
企画原案かなんかに秋元康の名前が出てる時点でこりゃだめだと思ったけどやっぱりだめでしたね。これなら20年前に撮られた「女優霊」(この後)の方が5倍はいい。