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Runnin' Wild

ゴジラ 30作品一挙放送中 その2

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てことでまだまだ続く平成ゴジラシリーズ。

ゴジラ vs モスラ

実は平成シリーズの中では一番のヒットを記録しているというこの映画。冒頭がアユタヤ遺跡でインディ・ジョーンズって。(^-^;) まぁあそこに行った人なら誰でも思い浮かべると思うけど。そのまま映像化ってよー。しかもそこまで売れてしまったがために、平成モスラシリーズ3部作がこのあと作られることに。なんという勘違い。w

で、この映画は実はゴジラ不要な話で。元のプロットはモスラと敵怪獣の闘いだったらしく、ゴジラはほぼ脇役。しかも数少ない負け試合。まーモスラには昔から弱いんだが。

そして昭和モスラへのオマージュっぽい特撮シーンはそれも大負け。いやひょっとすると俺の過去の思い出が美し過ぎるだけかもしれないけど、おそらく同じ東宝大プールでの撮影、さらには同じよーなカット回しなのに圧倒的に過去のモスラの方が大きい。映像が綺麗になりすぎてるからなのかなぁ。それとも銀幕で見たから+補正されてるのかなぁ。とにかく、30年前の特撮に負けてはダメですよね。

しかしノストラダムスの大予言から世界を救ったのはモスラのおかげだったのかー。(違います)

ゴジラ vs メカゴジラ

シリーズ史上最強のメカゴジラがゴジラに迫る!っても、昭和シリーズと違って人類側がメカゴジラなんだが、なぜかゴジラに肩入れしてしまうのはあまりにも人類側の容赦のなさが際立つからか。そしてゴジラを一度はたたきのめしたにも関わらず、結局超自然の力には勝てないのだなぁと。

それにしてもシリーズ通して登場するのにとてもかわいそうなキャラ、三枝未希嬢(小高恵美)の存在が気になる。4度に渡るゴジラの襲来に対して常に最前線で当たってしかもそれなりに成果を上げているはずなのに、なぜ未だにぺーぺーで命を賭してメカゴジラに乗り込まなければならないのか。普通、もう後進を育てて研究所の所長くらいになってるはずなのになー。なんて気の毒な存在。

他には佐野量子のあまりに酷い演技がアレだったり、協力に「アップルコンピュータ」が入っていたり(PowerBookで開発してましたよ、ガルーダw)、ベビーゴジラってミニラって言わないんですかーとか。

結局、シリーズがひとつの時間軸で続くとどーしてもストーリーが陳腐化せざるを得ないってことなんだろうなと。「ゴジラ」という単体を描くだけならどーでもできるし倒してしまえばいいんだが、続いてるということがいろいろな制約を生む。果たして、新ゴジラはそんな枠を取り払ったところから出発できるだろうか。

ゴジラ映画を考える上で大事なことは、「ゴジラという存在は何か」ということなのだろうなと。例えばこのシリーズでは台風のような「天災」で、それを打ち破るために人類は努力している。2014年版の米ゴジラは、どちらかというと「ガメラ」シリーズ的な「地球の守護者」的な何か。でも恐怖の存在としてのゴジラは、そのどちらでもないはずだ。

そもそも「放射能を喰う」という設定は外せないのか。それは生物としてあり得るのか。初代は牛とか喰ってたんじゃなかったっけ。果たして新ゴジラは、東宝制作陣の「シリーズ化」という呪縛を解き放って盛大に花火を打ち上げられるのか、庵野監督の変人ぶりに大期待である。

ゴジラ vs スペースゴジラ

このシナリオは酷い。もう冒頭のスペースゴジラ飛来シーンからどーしようっていうレベル。そりゃこのシリーズ終わらせられるよねぇ(ってまだまだ続くが)。どこまでいっても突っ込みどころ満載で、札幌から首都圏直撃は避けられないと言われてたのに、なぜかそのままスルーして福岡(今回は百道浜決戦。見慣れたあの周辺、福岡タワーがぶっ飛びます)とか。ご当地破壊シリーズっていう使命があるのもわかるけど、もう何も考えてませんね。ビオランテの頃のSFらしさ、リアルさはもうどこにもなく、怪獣たちが闘うというその部分のみにフォーカスしてる。そりゃ大人が見て面白くなるわけがない。そもそもなんであの強かったメカゴジラをもう2台くらい作らない。そしたら勝ててるだろ。w

でもメインであるはずの怪獣同士が闘うための特撮もダメで、そもそも縮尺がおかしい。100mあるはずよね。攻撃したときの水煙がゴジラと同じ高さまで上がるってどーいうレベルだよとか、森を抜けてるときの樹々が手の位置(推定60mとか)にあるとかどこの原生林だとか。あーもう(ぶつぶつ)。自衛隊も一切出てきません。

三枝未希嬢は今作にも登場して、よーやく地位も主任に。少女だった彼女が10年ゴジラと向き合ってきて23歳、ゴジラを愛する変人として認識されてるかわいそうな人。でもなんだかほのかなラブストーリーもあったり。そうか、このゴジラシリーズは三枝未希の成長物語だったのかー!(違

ああ、もう早く終わって欲しい……。

ゴジラ vs デストロイア

そして1984年版から続くこの時間軸シリーズ最後の作品は、オキシジェン・デストロイヤーから生まれた超生物だというデストロイア。しかしゴジラ、メルトダウンという舞台の前ではお飾り程度でしかなく、しかも弱い。ゴジラのメルトダウンは正に日本の滅びの美学そのもので、「宇宙戦艦ヤマト」に通じるものがある。そして三枝未希シリーズ(笑)もこれで最終作になり、前作のほのかな恋はあっという間に消えてしまったようで、またゴジラの追っかけを続けていたり。でもそれももう終わり。お疲れ様でした。

ま、前作のシナリオが酷すぎただけに、初代ゴジラのプロットをふんだんに利用した(それでも突っ込みどころ満載なのは変わらないが)今作は少しは見れる。音楽も伊福部昭に戻ってるし。まーそれでも「終わる」ということ以外に何の価値もないかもなぁ。

ゴジラシリーズはこのあと、IFシリーズとしてそれぞれが独立した世界観、時間軸で描かれる。シリーズとしてのくびきを取り去った方がいろいろと作りやすいという判断だったのかもしれないが、観客動員数はどんどん下がり、ついには「とっとこハム太郎」と併映されてしまう始末。さて、この先のシリーズも俺は見て耐えられるんだろうか……。

Wowowでは5月11日からいよいよ昭和シリーズに突入。こっちは「三大怪獣 地球最大の決戦」までは(まぁこれもぐだぐだだが)見れる作品になっていて、特に人気の高い「キングコング対ゴジラ」「モスラ対ゴジラ」はオススメ。後半はまた辛そうだなぁ……。まだ21本もある。

Written by ei

5月 9th, 2015 at 3:49 am

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