鑑定士と顔のない依頼人
原題:”La migliore offerta”
「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレのミステリー、と言えば映画好きなら食指が動くよねー。あーネタバレ注意。観に行く予定の人は読まない方がいいかも?
著名な鑑定士でオークショニアでもあるオールドマンは潔癖で気難しい男として知られていた。そんな彼の元に、顔も見せない依頼人から家にある古い家具や美術品を処分したいという電話がかかる。待ち合わせに来ない、参加すると言っていた査定に現れない依頼人クレアにいらだち、案件を断ろうとするオールドマン。しかしクレアは広場恐怖症で、隠し部屋で15年もの長い年月を過ごしていたのだった……。オールドマンは徐々にクレアの「神秘性」に惹かれていく。
トルナトーレだから心温まるラストかと思っていたら、普通にストレートであまりにも哀れなお話だった。「ラストは語らないでください」「結論を知って観るとなんとか」と煽る謳い文句に期待して行くと肩透かしを食らうかもしれない。古い家、壁の向こうの隠し部屋、オートマータといった豪奢な仕掛けを堪能するくらいの気持ちで行くべきか。
まー身も蓋もない言い方しちゃうと女一人に翻弄された童貞男って話。(笑)
鑑定士オールドマンにはジェフリー・ラッシュ。バルボッサ船長、こんな渋い役できるんすね。実際、この映画はこの人で持ってると言っていい。ヒロインのクレアには、シルヴィア・ホークス。ちょっと病的な美女。オートマータの修理をするロバートにはジム・スタージェス。そして画家崩れの男ビリーにはドナルド・サザーランド。息子、目がそっくりです。
監督はジュゼッペ・トルナトーレ。
ラストシーンのプラハのカフェは実在するんですかね?ググってみたけど見つからず。オートマータのように、機械に取り込まれて、彼はずっと彼女を待ち続けるんでしょうかねぇ。