ブッダ・マウンテン〜希望と祈りの旅
原題：”观音山“
続けて観たアジア映画。「台北に降る雪」のチェン・ボーリンが出てるというので……。希望、なんだろうかね、最後に彼女が抱いた想いは。
四川省成都。大震災後の成都に暮らしていたディン・ボー、太っちょ、ナン・フォンの3人だったが、一緒に住んでいたアパートが取り壊されることになり、同居人を募集していたチャン・ユエチンの家に間借りすることになった。その日暮らしに近い刹那的な生活を続ける若者たちと、息子を大震災後の事故で失った元京劇女優の共同生活は、最初こそ隔たりがあるように思えたが、徐々にお互いを理解していく……。
若者たちにとってはどんな時代も希望のときだろう。若く刹那的に生きていても、先は長い。でもずっと救われない想いを抱いて生きる老人は、どこに居場所があるというのだろうか。お話は四川大地震後、倒壊した観音山の寺院が修復されたという実際にあった話を下敷きにしているそうだ。仏を再生させることで心を癒され、ようやく心の安寧を見つけたチャンが最後に取った方法は、若者たちにはどう映っただろうか。それでも彼女は絶望の淵から救い出された上で、全てに身を委ねたと思いたい……。
チェン・ボーリン（陳柏霖）は「台北に降る雪」がとても印象的な（DVDで見た）台湾を代表する映画スター。ファン・ビンビン（范冰冰）はサントリーの烏龍茶のCMで日本では有名になった人。え、「アイアンマン3」出てた？え、次「X-Men」だって？？そして香港映画界の大スター、シルヴィア・チェン（張艾嘉）。気品のある元京劇スターの役はよくお似合いです。
監督はリー・ユー（李玉）。 中国映画界にありながらセンセーショナルな作品を発表し続けている。
やはり風景や街並みにも昭和の匂いがする。でもきらいじゃないな、うん。