ヘルボーイ ゴールデン・アーミー
原題:”Hellboy II:The Golden Army“
なんだかんだ言ってもこの世界観は好きだから良し。アメコミだからなんでもアリっちゃアリなんだろうけど、いにしえの存在たちが実際に生きている世界が楽しすぎる。
超常現象調査局のエージェントとして仕事を続けるヘルボーイ。相棒のエイブに加え、恋人のリズも参加して、さらに強力なチームとなった彼らが新たに取り組んだヤマは、遺物のオークション会場が襲撃された事件だ。現場で獲ったトゥース・フェアリーを使ったモノを探して、彼らは地下に隠されたトロールの市場に潜入。そこでエルフの王女、ヌアラ姫を救出する。彼女の口から明らかになったのは、エルフの王子ヌアダがいにしえの戦いで使われたと言われる「ゴールデン・アーミー」を復活させ、人間を一掃しようという企みだった。ヘルボーイたちはヌアダを阻止するために立ち向かうが……。
もともとは「人間界を滅ぼす者」としてこの世に現れたヘルボーイが、人間のために闘っているにも関わらず理解されず迫害されるシーンはよくあるパターンとはいえ「人間なんぞ滅びてしまえ」と思う。(笑)人は利己的遺伝子しか持ち合わせていないものなのだろうかね。特にエレメンタルを倒すシーンは象徴的で、「命を生み出す者」を倒さざるを得ないヘルボーイと、それを責め、石を投げつけてしまう人間の傲慢さは苦しい。しかしそれらを吹っ飛ばしてしまうほどに、ヘルボーイは単純でカッコイイ。「俺に逆らうヤツはのす」的単純さというか、こいつはこれでいいんだろうなと思ってしまう。
前作の成功、「パンズ・ラビリンス」の成功で一気に「売れる」監督として名を上げたギレルモ・デル・トロと、原作者マイク・ミニョーラが共同作業で脚本を書いた本作。非常に良くまとまっていて、それぞれのキャラクターも過不足なく描かれ、人間の不条理なんかもちゃんと語られて、バランスの取れた仕上がりになっている。こーなると楽しみなのはさらに続編で、人間の存在に絶望するヘルボーイと、自分の子供を猫かわいがりする親バカぶりとか見てみたい。いや、絶対作ってくれるよね。こーなるとぜひライフワークとして続けて欲しい。
主演は前作製作時にはかなり問題を醸した(曰く、主演がハリウッドスターじゃない(パールマンは悪役)=売れない)ものの、やはりこの人をあてる以外ありえないというロン・パールマン。今回もヘルボーイを快演しております。恋人リズも前作に引き続きセルマ・ブレア。基本メインキャラが前作に引き続いて出てるところもテンションの高さが伺えます。
監督のギレルモ・デル・トロ、次回作は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの前のお話「ホビットの冒険」2部作!に大抜擢された。でもヘルボーイシリーズにちゃんと戻ってきてね。(^-^;
まー言いたいこともいろいろあるかもだけど、俺は単純にこの映画が「好き」だ。それでいいよね。(笑)