若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

県庁おもてなし課

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公式サイト

原作はちゃんと観光ベタ恋愛小説なのに、映画になるとどっちつかずのまま終わってしまっていてダメダメ。なんだろーな、この違和感は。

高知に新しくできた観光促進のための部署、その名も「おもてなし課」。課に配属された掛水はまずは観光大使にと、高知出身の作家吉門喬介に連絡を取るが、1ヶ月後にその吉門から「あんたらに足りないのは民間感覚だ」とダメ出しをされる。吉門はホントにやる気があるなら県庁職員でない民間の女性スタッフを課に入れ、さらにパンダ誘致論を調べろという。掛水は総務課にアルバイトにきていた明神多紀を迎え入れ、さらにパンダ誘致論で県庁をかき回した清遠に連絡を取ろうとするが……。

なんなんだろーなー、この不完全燃焼感。俺はこの小説を読んで、(恥ずかしながら)泣いたさ。自分にとって決してよその土地ではない高知をこんな風に見せてくれてわくわくして、「お役所」の壁の理不尽さに怒って、それでも前に向かって進もうとするお話に心を動かされた。普段はそんなことしないのに、広島県庁に勤める親友に読んだ本をすぐ送りつけて「とにかく読んで。きっとどこのお役所にも必要なことがここには書いてある」って勧めたりもした。そんな、有川浩作品の中でも特別な作品。

なのに。なんなんだろう、このもの足り無さ。レジャーランド計画なのにちーともレジャーランドに見えないワクワク感のなさ。観光立県しようという高知のPRになってない。恋愛パートも主演の二人があまりにもアレで気持ちが伝わってこない。どっちつかずというよりどちらのパートもちゃんとできてなくてダメな映画になってる。

もっと高知の楽しさをアピールしないとだめじゃん。もっともどかしい恋愛になってなきゃだめじゃん。それができてないのは高知のほんの一部しか出てきてない気がするからだろーか。主演の二人の演技がちぃとも心に響いてこないからだろーか。俺が持ってる高知の人のイメージに合わなさすぎるからだろーかね。なんか「外の人がきて作ってあげました」って映画になってしまった感がある。

主演は錦戸亮。うちでは「DV男」という言われ方しかしない(「ラスト・フレンズ」っていうテレビドラマで長澤まさみにDVする役だったのよねー)この人、割と好きな役者なんだけどこの映画ではダメ過ぎ。そして堀北真希。ドコモの発表会で「顔のパターンが3つくらいしかないね」と良く言ってたんだけど、今回もそんな感じ。もっと強いだろ、高知の女(俺イメージ)。他には船越英一郎、関めぐみ、高良健吾など。
監督は三宅喜重。「阪急電車」に続いて有川作品2作目なのにこの出来か。

映画はいいから原作を読みましょう。10倍はいい。

Written by ei

6月 1st, 2013 at 11:32 pm

Posted in Movies,Roadshow

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