デンジャラス・ラン
原題:”Safe House“
周りはみんな、敵。どこに行っても「安全な場所(=セーフハウス)」などない。
元CIAの敏腕エージェント、しかし現在はいくつもの情報をあちこちに売り歩く指名手配犯のトビン・フロストが南アフリカのアメリカ領事館に駆け込んできた。フロストを尋問するために、CIAは南アに持っている「セーフハウス」のひとつに連行するが、知られていないはずのその場所も強襲を受ける。セーフハウスの管理人だったマットは、フロストを連れて脱出。しかしどこに逃げても追われ続ける。なぜ?情報が漏れているのか?そしてフロストの掴んだ情報とは?
スパイアクションモノというのはどこかスタイリッシュなイメージがあるが、この映画に関してはまったくそんなことはなく、執念深く容赦なく襲いかかってくる敵に対して、泥臭く何があっても生き残ろうとする男たちの生き様が描かれている。でも実際は、命を狙われて生きるというのはこーいうことなはずだよなと。周りのことなんて構っちゃいられないだよ、きっと。
そーいう意味では、この映画はとてもリアルに描かれた佳作だ。ただ血が流れる量もハンパないのでその手のものが苦手な人は敬遠するかもしれない。なまじゾンビやモンスターといった実在しないものではなく、人と人との命の駆け引きだけに痛い。
主演はデンゼル・ワシントン。相変わらず渋い。エグゼクティブ・プロデューサーにも名を連ねてる。共演はライアン・レイノルズ。あ、「グリーン・ランタン」か。ここから先、続けて新作が公開される予定の模様。今回の注目はアナ役のノラ・アルネゼデール。最初と最後にしか出てこない(爆)んだが、もうこれが美しいんだ、うん。(笑)1989年生まれのフランス人、これからの活躍にぜひ期待したい。
監督はダニエル・エスピノーサ。ハリウッド映画はこれが1本目?
リアルなスパイの闘いを見たいならお勧め。ある意味、007とは対極にある映画かもしれない。