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Runnin' Wild

スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜

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原題:”The Ides of March

主演はあくまでもライアン・ゴズリング。ジョージは助演だけど実は監督も脚本も務めてる。原題の”The Ides of March”は「シーザーが暗殺された日」のことだそーで。

スティーブンは大統領候補、マイク・モリスの選挙参謀として民主党の予備選に参加していた。モリスは現州知事で人気も高く、大統領選へ進むのは確実と見られていた。しかし対立候補の参謀に呼び出されて会ったことから知事や主席参謀の信頼を失ってクビに。さらに選挙事務所のインターン モリーと関係を持ち、ある秘密を知ってしまったことから、正義の意味が分からなくなっていく。

政治にこそ裏表のない誠実さを求めたい。我々はそう考えているはずなのに、政治の世界に裏はつきものなことも知っている。清濁併せ飲む度量がなければ政治家なんてなれないとか言うのも言い訳だ。ホントならやっぱり正しい政治家であって欲しい。スティーブンもアタマでは政治家はそんなものだとわかっていながら、それでも正しいことをして欲しいと思っている者の一人。その理想をモリスに感じ、それを実現させることこそ自らの望みと信じて疑わない男。だからこそその裏にある闇を見たとき、彼は両極端に振れるのだろう。それは正しい正義など政治の世界にはないのだという絶望をも感じさせる。

原作者がかつて大統領候補だったハワード・ディーンの選挙スタッフだったそーで、ある意味実話を基に書かれたものをジョージや他の脚本家が手を入れての映画化。ま、あくまでもフィクションなのでどこまでがホントかはわからないけど、ハワード・ディーン自身も非常に人気があったにも関わらず敗れてしまったらしい。
ジョージが「この映画は政治サスペンスで政治をテーマにした話ではない」というのにも納得だ。選挙戦を舞台にしてはいるが、描いているのはあくまでも裏側。あんなにえらそーなことを言ってても結局こんなもんかよというのは最近の日本の政治でも同じだけどねー。

ジョージ・クルーニーはかっこいいだけでなくセンスある男なんだなーと。ここで話題のライアン・ゴズリングを主演に持ってくるところとか、自分があえてヤな役を(しかも最も効果的な)演じ切れるところとか、脚本も監督も含めて彼は映画人としてのセンスがある。ジョージのよーになりたい、とか気安く言えないよな、うん、無理。

さて主演は噂のライアン・ゴズリング。今作でもアタマの切れるクールな魅力。でも「ドライヴ」の冷徹さの方が似合ってるかな。モリス知事役にはジョージ・クルーニー。あの笑顔にダマされちゃだめです!w さらにまわりをフィリップ・シーモア・ホフマンやポール・ジアマッティ、マリサ・トメイが固めていてまーしっかりした布陣。
監督・共同脚本・製作はジョージ・クルーニー。これで監督としても一定の評価を獲得したと言えましょうか。次回監督作は未定だけど、映画はSF映画の”Gravity”がポスプロ中。今年お正月あたりかな。
ちなみに製作総指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)にディカプリオの名前も。

ライアン・ゴズリングは魅力的だがやっぱりジョージにはかなわないなー。映画製作とかそーいう部分まで含めて、懐の深さを感じさせてもらいました。

Written by ei

4月 5th, 2012 at 2:39 pm

Posted in Movies,Roadshow

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