若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

タイム

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原題:”In Time

なんとこれが今年映画館で観る1本目。こんなことじゃまた目標に届かないぜっ!

映画はSF版「俺たちに明日はない」みたいな。実はクライムサスペンスというか、政治批判というか。

未来の地球では人々の成長は25歳で止まり、そのあとは働いて「時間」を稼いで生きていた。時間=命=通貨であり、貧困層は1日分の時間にさえ困り、時間が切れた者は道ばたでバタバタと死んでいき、富裕層は数千年を25歳の肉体のままで過ごすことができる。そんな世界の貧困層で生きるウィルは、酒場で100年以上の時間を持つ男を助け、男の持つ時間をすべて譲り受ける。ウィルはその時間を持って「タイムゾーン」を抜け、富裕層の街に入っていく……。

遺伝子操作で25歳までしか成長しない、しかも身体にタイマーが表示されるっていうのはどーいう仕組みなんだと思うわけだが、時間=命=通貨がそのまま直結する世界は支配者階級にとってはとても御しやすい世界だろうなと。働かなきゃ即、死に繋がるから暴動やストライキをすることもできないまま黙って働かざるを得ないし、人が増えすぎたら物価を上げるだけでバタバタと人が死ぬ。物価も賃金もあらゆるものをコントロールしているのは富裕層なので、一握りの人間が世界を操ることができる。実によく「デザイン」された世界だ。

しかし実は今だって直結していないだけで、同じ構造の中に我々は生きている。世界の1%の人間が4割の富を所有していて、結局はこーいう人たちは映画の中のように一生を楽しく暮らしていくわけだ。そしてこの映画のように、我々はまさに「走り回って」生きていかなきゃいけない。この映画はそーいう現体制を批判し、持つ者たちから持たざる者たちへ富は分配されるべきだと語る。何かのチャンスがない限り、違う階級に行けない今の世の中は実はこの映画の世界にとてもよく似ているのかもしれない。

主演は歌手じゃないのか、ジャスティン・ティンバーレイク。どーもうさんくささが抜けない人ですなぁ。(笑)ヒロインはアマンダ・セイフライド。「マンマ・ミーア」のときとは全く違うイメージで、でもこれはこれで美しい。この2人がボニーとクライドよろしく時間強盗を繰り返していく様はまさにSF版「俺たちに明日はない」。もちろん意識してるよね。他にキリアン・マーフィ、オリヴィア・ワイルド。オリヴィアの役はジャスティンの「母」で50歳なんですよ。w 25歳で老化もしないんだから当たり前とは言え、ちょっと危ない世界だよなー。
監督はアンドリュー・ニコル。「ガタカ」の監督か、なるほど納得。撮影中の”The Host”もSFっぽい。

貧乏人は1日1日を凄く大事に生きるんだ!それこそが生きている実感!と胸に刻んで走るのはいいけど、やっぱり楽したいと思うのも事実。 ま、俺はやっぱり走るしかないんだろうなーと。

Written by ei

2月 20th, 2012 at 3:59 pm

Posted in Movies,Roadshow

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