シェイプ・オブ・ウォーター
原題:”The Shape of Water”
ハリウッドは「差別していない」と言いたいなら、この映画にオスカーを取らせるべきだと思うよ。まぁデル・トロの(悪)趣味全開なんだけどさー。言いたいことはちゃんと「人を人種(半魚人含むw)や肌の色や性別で差別するな」だからね。
幼い頃の怪我で声が出せないイライザは、政府の秘密研究所で掃除婦をしていた。同僚のゼルダといつものように掃除をしていた部屋に運び込まれたシリンダーの中には、何やら異形の生物がいた。イライザは水の中で生きる「彼」に興味を持ち、意思の疎通を図るが、彼は解剖される運命にあることを知る。
「大アマゾンの半魚人」(1954年公開の映画 半魚人が人間の女性に恋をする)をベースに「人魚姫」(声を失った女性)と「マイ・フェア・レディ」(イライザ!)を掛け合わせて凝縮させて血溜まりに放り込んだ(笑)この映画。Facebookで「ギレルモ版スプラッシュ」って言われて、ああ確かになぁとも思ったんだけど、基本的には本来のデル・トロの悪趣味が滲み出てしまうダークファンタジーですね。てか、デル・トロってなんでこんなにアカデミー委員会に愛されてるの?少なくともこの系統の映画はオスカー候補に上がることさえないでしょうに、「パンズ・ラビリンス」でも脚本賞にノミネートされたことあるし。
ま、この映画は冒頭に書いたように「人を肌の色や人種や性別で差別するな」というのもテーマの一つで、昨今のポリコレブーム(あえてブームと言おう)にも乗っかれる。そもそもSFやホラーなどの娯楽映画やブロックバスター映画を認めない傾向にあるアカデミー賞。いまだにトム・クルーズにオスカーあげないとか、ディカプリオに一昨年まであげてなかったとか、そーいう「偏見」こそポリコレに反するものじゃないの?黒人差別だ!と声を上げるなら、次は娯楽映画差別だ!って言おうよ。
まぁ、この映画が好きかどーかは別問題だけどな。(笑)
主演のイライザにはサリー・ホーキンス。米版「ゴジラ」とかにも登場していた彼女、果たして強力なライバルを抑えてオスカーは獲得できるのか。あの時代のアメリカ男性らしい嫌ーな男 ストリックランドにはマイケル・シャノン。イライザの親友でゲイのジャイルズにリチャード・ジェンキンス。職場の同僚 ゼルダにはオクタヴィア・スペンサー。そして「彼」にはダグ・ジョーンズ。彼、「ヘルボーイ」でもエイブ・サピエンという半魚人だったので水の中はお手の物ですね。(笑)
脚本、監督はギエルモ・デル・トロ。改めてこうして表舞台に立てたことを考えると、パシリムを降りたことは良かったのかもしれないなぁ。現在は”Pinocchio”を製作中と言われてるけど、”darker version”て。やっぱりダーク・ファンタジー仕立てになるの?まーデル・トロだからなぁ。
登場人物を改めて書き出してみると、実にポリコレ全開な映画。これを確信犯的にやってるとすれば、デル・トロは策士ですな。
オスカー取っちゃいましたねw
という訳で、昨日観てきました。
「デル・トロの(悪)趣味全開」でしたね。自分は大好きですけどw
でもオスカーか?
今年だから取れた、という気もする。
biomax
14 3月 18 at 0:59:12 edit_comment_link(__('Edit', 'sandbox'), ' ', ''); ?>
取りましたねぇ、まぁデル・トロ、昔から好かれてるといえば好かれてるから。作品賞は無理かなーと思ってたんですけどね、「大アマゾンの半魚人」ですから。(笑)
怪奇やSFといった、毛並みの違う映画に道筋をつけたという点ではとてもエポックな作品になりました。次は「ワンダーウーマン 2」でぜひ、ガルガドに撮ってもらいたいです。w
ei
14 3月 18 at 1:08:47 edit_comment_link(__('Edit', 'sandbox'), ' ', ''); ?>