ベイビー・ドライバー
原題:”Baby Driver”
スマッシュヒットをかましたクライムアクション映画。「ワイルドスピード」シリーズみたいな(ちょっと違う)派手なカーアクションで、でもボーイミーツガールでファンタジー。(笑)
天才的なドライブセンスを持つ「ベイビー」は、銀行強盗など犯罪を仕切っている「ドク」に負債を返すために、強盗チームが逃げるときの逃走役として活躍していた。小さい頃、両親を亡くした事故の後遺症で耳鳴りが止まらず、唯一音楽を聴くことで耳鳴りから逃れることができるベイビーは、ずっとイヤホンをして生活していた。そんな彼が出会ったのはウェイトレスのデボラ。負債を返し終えたベイビーはデボラと付き合い始めるが、ドクは再度ベイビーを悪の世界に引き込もうとしていた。
「アントマン」を撮影予定だったエドガー・ライトが降板後に取り組んだこの映画、思った以上に評価が高くなったのは音楽の力かなーとか思ったり。とても効果的な音楽と音の使い方は楽しくて、ティーンエイジャーな恋愛は甘くて、そして暴力の世界は怖い。色々な要素を上手にバランスよく散りばめてまとめてある。クライムアクション恋愛ファンタジー映画なんてのが成立するもんなのねと。
聞けばこの映画はエドガー・ライトが1994年から温めていたアイデアだそーで、2003年にはミュージックビデオにその部分を使ってみたりしてたそうな。あ、確かにそのまんまですね。ま、つまりずっと撮りたかった映画ってことか。
主演はアンセル・エルゴート。「きっと、星のせいじゃない。」の低評価を覆し、よーやく注目されることになった彼。この後出演作品がどんどん増えてくるかも。ヒロインのデボラにはリリー・ジェームズ。シンデレラだった彼女はこんな風にウェイトレス役もできるんです。(違)ドクにはケヴィン・スペイシー。凶悪犯罪者の「バッツ」にジェイミー・フォックス。やだけどこーいう役似合うよねぇ。そしてとても美しい「ダーリン」のエイザ・ゴンザレス。まだまだTVシリーズとかがメインだけど、この人海外実写版「銃夢」の”Alita:Battle Angel”に出てるそーで、今後が期待されるメキシカン女優さん。他にはジョン・バーンサル、ジョン・ハムなど。
監督エドガー・ライト。「ホット・ファズ」「スコット・ピルグリム vs 邪悪な元カノ軍団」なんていう軽いヒットを飛ばしながら来た彼の代表作になりそうですな。
案外派手なカーアクションとバイオレンスシーンを織り交ぜつつ、最後はちゃんと笑って終われるファンタジー(笑)に仕上がったのは、監督のバランス感覚のなせる技かなぁ。そーいえば以前の映画もそんな感じあるかもしれない。