始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密
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内容はGOOD!でも翻訳が、、、
物語は新たな領域ヘ!
一晩寝ずに読み終えました!
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少し本筋からずれているように見えて、それでもやっぱり「もはや偶然はない」のだった。
姉を亡くして2ヶ月、葬儀にも行けず、仕事もせず、失意の日々を送ったジャックだったが、ようやく始末屋の仕事に復帰することにした。今回の仕事はたまたま訪ねた霊媒師の家で起こる、他の霊媒師からの妨害工作らしきものを止めるという、あまり険悪でないもの。そしてもうひとつ、何か悪いことをしているかもしれない弟を守り、必要なら止めて欲しいという謎の依頼も。
しかしジャックが家を訪れたことで霊媒師の家には良くないものが復活していた。 それはジーアを絡め取り、結局はジャック自身の大きな問題をも巻き込んで行くことになる。
今作で何より面白いのは、ジャックと霊媒師たちが仕掛ける様々な詐欺ートリックの数々だ。もちろんすべての霊媒がそうだとは限らないだろうが、それを商売にしている者たちの裏側を暴きつつ、さらにその上をいくトリックで相手を騙そうとするシーンは非常に楽しい。「スティング」とまではいかないが、イカサマ師ってのはこーいう人たちのことを言うんだなぁとしみじみ。
もうひとつはカルトの恐怖。小児性愛やカルトの生け贄といった部分に触れつつ、それがどんなに許されない行為かー俺もこの世で最も忌むべき行為は罪のない子供たちを傷つけることだと思うーを描く。これはアメリカだから、と言ってられる世の中ではなくなりつつある。我々が留意すべきは「児童ポルノ」だなんだと言って表現の自由を制限することではなく、本当に傷つけられている子供を助けることなのだ。
と、話はそれたが、今回ジャックにはとても大きな、人生を変えてしまうような大きな出来事が起こる。その様は想像通りなのだけど、そりゃ彼の性格からすればそーだろうなぁと。そこも読んでいて楽しいところでもある。
次はシリーズ既刊の最高傑作と言われる「深淵からの脅威」だ。ふー、間に合った。(^-^;