マネーモンスター
原題:”Money Monster”
この映画でよーやく「ウォーク・オブ・フェーム」に名を刻んだジョディ・フォスター。俳優としてでなく監督として名を残したかったという彼女はやっぱり変わってる。ま、作品は上手にまとめてあります。
経済を読み、投資を勧めたりもするTVの人気財テク番組「マネーモンスター」。ある日の放送開始と同時に男が乱入し、司会のリーを人質に立てこもってしまう。犯人はリーに勧められた株を買って全財産を失ったカイル。爆弾付きのベストを着せられたリーを映し続けろという犯人の要求に応え、ディレクターのパティは少ないスタッフとともに放送を続行。カイルが全財産を失うことになった投資ソフトの「バグ」に関して追求していくうちに、いくつかの矛盾点が明らかになっていく。
株相場はギャンブルみたいなもので、すってしまうとそれまでというのが普通。でも現在の複雑な株取引のシステムは結局誰にも中身が分からないわけで、「バグ」だと言われたらそれで済んでしまうのも事実。そんな陥穽を利用して犯罪が起こっていたとしても、我々には理解できなかったりする(実際に起こっているかもしれない)。そんな盲点ーというか、すでに経済で遊んでいる奴らにとってはやりたい放題の遊び場でさらに反則を侵されたとき、どーすればいいのっていう。これはそんな現代社会に対する警告でもある。
そんな小品にジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツという二人のオスカー俳優を引っ張ってこれるのは、やはり自らがオスカー女優であり、現在は映画製作に真剣に取り組むジョディ・フォスターならばこそ。ウォーク・オブ・フェームに名を刻んだのは今回の映画でよーやく納得のいく映画を撮れたということか。
てことで主演はジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツががっぷり四つ。存在感は二人とも全く負けてない。ジョージは相変わらずセクシーでちょっとコミカルで、ジュリアは……まぁ歳取ってくのは仕方ないことだけど、彼女はこれからも演技派として十分にキャリアを積めると思います。他にはジャック・オコネル、ドミニク・ウェスト、カトリーナ・バルフ。
監督はジョディ・フォスター。 本編には一切登場せず。3歳からのキャリアですでに50年てことか!次回作などの予定は一切書かれてなくて、これからも映画を撮ってくのかなぁ。そろそろ主演で新作も観たいところ。
お話もテンポよく分かりやすく、緊迫感もあってよくできた映画だと思います。