若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

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原題:”Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)

劇中劇の主人公とそれを演じる映画の主人公、そしてそれを実際に演じているマイケル・キートンと3つの立場のそれぞれが皆同じ心情というところがポイントですかね。

かつてヒーロー映画「バードマン」で主演を勤めたリーガン・トムソンだが、90年代後半に銀幕から姿を消していた。その彼が私財をなげうって、ブロードウェイでレイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」を原作とした舞台の脚本、演出、主演を勤めることになる。しかし公演が近づくにつれ神経質になっていくリーガン。彼には自分の肩越しから語りかける「バードマン」の声が聞こえていた……。

そーいえばマイケル・キートン、「バットマン」以降ホントに見なくなったなぁと思ったけど、履歴をみるとちゃんと毎年何かに出てるんですな。でも近年はテレビドラマとかも多くて、やっぱりバットマンのイメージが強いのは仕方ないことか(ビートルジュースって話は……)。彼の履歴が映画の主人公リーガンそのままで、だからこそこの映画にかけるものが違ってたんだろーなと。それくらい、この映画のマイケルは何かが乗り移ったかのように気合いが違う。彼自身が苦しんだことがそのまま出てきてるのかもしれない。

そしてもうひとつはカメラワーク。最初から最後まで、まったくカットなしで繋がってるかのように撮ってある。もちろんどこかで継ぎ目はあるんだろうけど、上手に繋ぐためのカメラワークは確かにオスカーの撮影賞にふさわしい。しかも2時間切れ目のない映像は、なんとも言えない不安感を煽るしなにより疲れる。これもまた映画のイメージを決めるものになってるなと。お話としては「イミテーション・ゲーム」や「博士と彼女のセオリー」の方が好きだけど、確かに存在感のある映画だ。

そんなわけで主演はマイケル・キートン。この映画で名声を取り戻して演技派としての地位を取り戻せるかなぁ。共演はエドワード・ノートン。ヤなヤツです。(笑)そして助演女優賞にノミネートされたエマ・ストーン。「スパイダーマン」がコケた彼とはまだ付き合ってるのかなぁ。どんどん高見に登ってて差が開いてくるなぁ……。
監督はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。「バベル」とか「21グラム」の人なんですな。

マイケル・キートン本人を見てるよーな気持ちになるので、やはり映画の主演は彼以外にはできないんだろうな。だからこそこのインパクト、オスカーあげたかったなぁ。

Written by ei

4月 16th, 2015 at 12:13 am

Posted in Movies,Roadshow

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