フューリー
原題:”Fury”
戦争に英雄なんていない。いるのは死者と生者だけだ。
時は1945年4月。D-デイから1年弱が過ぎ、連合国軍は制空権こそ抑えてはいたものの、地上部隊はドイツの反攻の前になかなか部隊を進められずにいた。北アフリカ戦線から参加した歴戦の勇士、ドン・コリアーが率いる戦車「フューリー」号の亡くなった副操縦士の代わりとして配属されたノーマンは戦争経験の全くない文系の男。人を殺したことさえない彼に、戦場は容赦なく襲いかかる。
こんな戦闘がドイツで続いていたのが事実なら、アメリカは日本を攻め落とすのにあれだけの空爆をした理由も頷けなくはないか。ましてや当時の皇国日本、玉砕覚悟で最後の1人まで戦う姿勢はできていたのを見てきたはずで、原爆落として戦意を削ぎたくもなるわなと妙に納得してしまう。まぁそれは日本人を理解していないとも言えるんだけどさ。
そして戦争には正義も悪もない。勝者はどんな場所でも奪い、襲い、蹂躙する。弱者はそれを甘受せざるを得ない。人と人との繋がりも、戦争の中では空しさしか残らない。綺麗ごとでは済まされない現実がそこにはある。そんな戦争の空しさをリアルに描き、戦車同士の激突をカッコよく描いた映画だ。戦車マニアな人たちの評価も高く、ティーガーとシャーマン戦車の一騎打ちは見物。あんなに強いの、ティーガー?世界で唯一駆動可能なティーガーが貸し出されたそーで、リアルさにもお金かけてます。
主演はブラッド・ピット。相変わらずかっこいいですな。新人ノーマンにはローガン・ラーマン。フューリー号の乗員にはシャイア・ラブーフ、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル。
監督はデヴィッド・エアー。先日観た「サボタージュ」と同じ人。
まー、同じ戦車を題材にして作ったものが日本はガルパン、アメリカはフューリーって部分に文化の差というかアレ(笑)を感じざるを得ないのであった。