僕が星になるまえに
原題:”Third Star“
ベネちゃん(後ろに座ってた女性がそー呼んでた。w そーか、ちゃん付けなんだ)若いなと思ったら2010年の作品。大人版「スタンド・バイ・ミー」。
末期癌で余命1年ないと宣告されたジェームズは、昔からの親友たちと想い出の場所、バラファンドル湾への旅行に出かける。最初は楽しく浮かれた4人だったが、ジェームズの容体が悪化し、さらにトラブルにも見舞われ、徐々に険悪な雰囲気になっていく。しかしそれは未来のある3人に対するジェームズの嫉妬、そして死への恐怖からくるものだった。
今や世界で圧倒的人気を誇るベネちゃんことベネディクト・カンバーバッチの3年前の映画。公開はちょうど「シャーロック」が放映後、撮ったのは前なのか。彼の人気によって過去のこーいう映画が公開されることは良いことですよ。
お話は「スタンド・バイ・ミー」で、死を見つめるという構図も同じ。ただ実際に死を目前に控えた男が友と共に進む道はもっと絶望的で、観ていてずっと苦しい。なぜ自分が死ぬんだ、未来のあるお前たちはなぜ今を、未来をもっと生きようと思わないんだ、という問いかけはきっと劇中の友たちだけでなく映画を観ている我々にも向けられている。あと1年の余命しかない男に、無駄な時間などないのだから。
最後まで絶望的なこの映画、それでもしっかり見せてくれるのはカンバーバッチを始め皆がしっかりした演技をしているからか。トム・バーク、JJ.フィールドなど皆イギリスの俳優でTVドラマ中心みたいだけど、十分に見せてくれる。
監督はハッティー・ダルトン。この映画がフルサイズでは最初。
カンバーバッチファンなら若き日の彼を観るチャンス。そーでない人にもユーモアと友情と死をバランスよく描いてあって十分楽しめる佳作。ミニシアター系なのが惜しいね。