若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

ブラインドネス

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原題:”Blindness

まぁある意味とても趣味の悪い映画で……。人間の尊厳とか、生きる意味とか、そーいうのをこのあとどうしていくのだろうかと考えずにはいられない映画。

ある朝、一人の男が白い光で遮られたかのように目が見えなくなった。その症状は男から助けた男へ、医師へ、妻へと感染するかのように進んでいく。瞳孔反応もまとも、目が見えていないことさえ信じられないその症状に、全世界は打つ手さえなく、人々はどんどん視力を失っていく。最初の感染者たちが入れられた隔離収容所の中にどんどん人は溢れていく……しかし、そこにはただ一人、視力を保った人がいた。

視力を失うことの怖さ、どんな状況でも人間は人間でしかないことの絶望、さらに視力を失って得た真の人と人との交わり、そしてひとつの希望。物語はこの視力を失うという部分を通じて、実は人間存在そのものを描きたかったようだ。実は今、人は目が見えていても本当に大事なモノは何一つ「見ていない」のだということを、この映画はその特殊な舞台から問いかける。目が見えない世界においては、名前も肌の色も関係ない。だから登場人物は誰一人として「名前」が設定されていなかったりする(エンドロールを見れば、あるいはリンク先を見ればわかりますが)。
撮影の仕方も凝っていて、白いぼやけた感じで場面が変わっていくことが多かったり、登場人物の周りの景色がぼんやりとしか描かれなかったりで、観ている観客もその白い視界になっているのを疑似体験してしまい、盲人たちに感情移入していくようになっている。ラストに関しては賛否別れるところかもしれないが、そもそもパニック映画として作っているわけではないし、バッドエンドではやはり後味が悪すぎる。これはこれで良かった気がする。

主演はジュリアン・ムーア。やっぱり、どーしても好きになれないのよね。(^-^; 医師にはマーク・ラファロ、サングラスの女にアリシー・ブラガ。そして日本人キャストとして伊勢谷友介と木村佳乃も。ジュリアン・ムーアでさえ裸身を晒しているというのに木村佳乃が脱いでないってのはどーなのよとかそーいう視線で観るなと。(笑)他にダニー・グローバー、ガエル・ガルシア・ベルナル。
監督はフェルナンド・メイレレス。「ナイロビの蜂」の監督さんか、ああ、なるほど。

人間の一番醜い部分を垣間見せて、それでも人と人は分かり合うことができるんだというお話。実際は、どーだろうねぇ。少なくとも俺はあっち側にはいけないだろうな。

Written by ei

12月 16th, 2008 at 7:01 pm

Posted in Movies,Roadshow

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