ブルーに生まれついて
原題:”Born to Be Blue”(2015)
チェット・ベイカーというウエストコースト・ジャズの第一人者がドラッグで転落し、復活するまでを描く実話を元にしたドラマ。イーサン・ホークがやっぱりいいですな。
チャーリー・パーカーに認められた天才チェット・ベイカー。トランペットを吹き、歌う独特のジャズスタイルは、当時マイルス・デイビスを凌ぐ人気を誇っていた。しかしドラッグに溺れ、あちこちで逮捕される日々。そしてついにはドラッグの売人に前歯を折られ、顎を砕かれてしまう。それでも音楽しかないという彼はリハビリを続け、やがて復帰を果たすのだった。
実際のチェット・ベイカーのwikiを見るとその通りの生活をしていて、結局生涯ドラッグをやめられなかったよーで。どーしてもジャズミュージシャンというのはドラッグと縁が切れないんだなぁと。やっぱりインスピレーションが違うんだろうか。音楽性の高さは理解できるけど、薬をやろうという気持ちは理解できない。
主演のイーサン・ホーク、チェット・ベイカーのドキュメンタリー映画「レッツ・ゲット・ロスト」を見てからのファンだそーで。ドラッグに溺れながら、幸せな生活ができたのに音楽のためにドラッグを止めない彼の二重性を表現したかったという。人間性は最悪、でも音楽は最高。その二面性。それはこの映画ではよく表現できていると思う。共演はカルメン・イジョゴ、カラム・キース・レニー。
監督はロバート・バドロー。チェット・ベイカーに関する映画をいくつも作ってる筋金入り。
イーサン・ホークの憂いを含んだ演技が好きな人なら十分に楽しめる。ジャズ好きもいけるかな。流れる曲はとても素敵です。