マイ・インターン
原題:”The Intern”
もちろん「プラダを着た悪魔」は関係ありませーん。予想した内容とはちょっとだけ違ってた。
定年退職して時間を持て余していたベンは、高齢者雇用制度を活用する新興のネット通販企業にインターンとして再雇用される。担当は会社を興したジュールズの助手。何事も人に任せられない質の彼女はたくさんの仕事を抱えて走り回っており、ベンの採用は「形だけ」のものになるはずだった。しかし持ち前の性格や人当たりの良さで力を発揮していくベンは、徐々にジュールズにも信頼されるようになる。
「働く女性のために!」みたいな謳い文句でやってるこの映画の主人公はベンなので、実は老人をバカにしちゃいけないよというお話。まぁ確かにジュールズの悩みは多くの働く女性、特にバリバリ仕事してる女性にはありがちなものかもしれないけど、それでもそこを期待して観に行くとちょっと肩透かしを食らうかもしれない。
しかしベンことデ・ニーロはやっぱりさすがというしかなく。どーしてもマフィアの親分とか偉い人の役を思い浮かべてしまう彼が、この映画で演じる「普通の人」のなんと魅力的なことか。ラフな格好が当たり前の新興ネット企業で毎日スーツを着て折り目正しく生活していく彼は、逆に格好良く見える。古くても自分の信じる道を曲げないベンのキュートさはデ・ニーロの巧さだなぁと。
てことで主演はロバート・デ・ニーロ。マフィアの親分が似合う彼ももう72歳ですか。実はあまり好きじゃないんだけど(失礼)、こんな役もできるんだなと。ジュールズにはアン・ハサウェイ。オスカーも獲ったしもうお姫様女優とは呼べなくなってきました。他には懐かしいレネ・ルッソ。もう還暦超えちゃったのかー。男優にとって年月は糧だけど女優にとっては重いなぁと感じてしまいますな。
脚本・監督はナンシー・マイヤーズ。
若者はもっと経験者から学ぼう!という映画なので、元気が出るのは高齢者かも。でも実際、学ぶところは確かにあるはずなので、学ぶべきところは素直に受け入れられるようになりたいものですな。