30ディズ・ナイト
原題:”30 Days of Night“
案外良くできたB級ホラー映画。設定は好きだがクライマックス〜ラストシーンは日本の漫画みたいだな。(笑)
アラスカ州バロウは冬の30日もの間、夜が明けな極夜が訪れる。多くのものはその間、カナダやアメリカへ帰るが、パイプラインを守ったり、家を守る150人程度の人たちは街に残る。極夜が始まる日、犬ぞり用の犬がすべて殺されたり、停電が起こったり、電話が不通になったりと、街には様々な異変が起こる。しかしそれは、その後の恐怖の殺戮劇の幕開けに過ぎなかった。闇夜の中に蠢く集団……それらは人を食い始める。果たして人間は生き延びることができるのか?
まずこいつらはどこからきたのかとかそーいう解説も抜きでぐんぐん進んでいくストーリーは好きだ。しかも奴らは邪悪で、生きるもの全てを憎み、食らう。生と対極にある死が、人を怖がらせるんだなぁとこーいうのを見てると思う。「死」に対して、人は冷静ではいられないのだなと最近いろいろな場面で感じるようになった。それはドラマを見ていて失われていく命に涙を流すのも同じ。誰かの命がこの映画のように簡単に食われていくことに恐怖を感じるのも、それはすべて「死」にまつわることだからだろう。
さて映画としてB級映画なので、突っ込みどころは多々あるものの、B級映画はノリが命。ノリを失わないように最後までひっぱっていったところはなかなか見どころのある映画と言える。中でも人々が惨殺されていくシーンを空撮で撮った画は、この映画の中で一番印象に残るシーン。白い雪が降り積もる中、真っ白なキャンバスが血で染められていく。これは唸るいいシーン(笑)だった。
ラストで泣ける人、それでいいのかっ!と思わず突っ込んでしまう人、いろいろあるとは思うけど、これはこれで正解なんだろうなと。群れを率いていくわけにもいかないだろう(そのラストもちょっと期待した)し、でもだからといって泣きはしないな、あれでは。
主演はジョシュ・ハートネット。アシュトン・カッチャーとどーしてもダブってしまう(笑)んだけど、そーいや違う人だった。ヒロインはメリッサ・ジョージ。可愛いおくさんですがテレビシリーズ出演が中心か。その他はいろいろ。あー、プロデューサーがサム・ライミ。自分ではもうB級とか撮らなくなったよなぁ。
監督はデヴィッド・スレイド。”Twilight”の3作目の監督に決定してます。
この映画、実は2年前の公開で、メリッサ・ジョージの次回作に続編の話も出ていたり……??まぁ設定は面白いので、続きはできそうだ。