残穢 ‐住んではいけない部屋‐
さてこれはどこまでが実話で、どこからがフィクションなのか。限りなく原作に近い映像作りは好感が持てますが、ホラー映画にするにはちと物足りない部分があることも事実。
ホラー小説家の「私」はある雑誌で読者からの投稿をもとにした小説を連載していた。そこに舞い込んだ、久保さん(仮名)からの手紙。一人暮らしのマンションの和室で畳を擦る音がするが、自分が見ると止まるのだという。事故物件というわけでもないその部屋に何かいるのかも?という久保とメールのやり取りをしながら調べていくうちに、二人はとても大きな闇を引き出してしまう。
「怖い」と評判の原作を映画を観る前に読み終わって、「怖くない」と。いや、ある意味とても怖いのだけれど、刺激的なシーンがあるわけでもなく、事実?を淡々と語っていく口調は推理小説を読んでいるような感じ。そして映画はその筋書きをほぼその通りになぞっていて、やっぱりその謎が解かれていく過程の方が面白い。もちろん映画にするにあたってそれだけではダメだったのだろう、いろいろとシーンを追加してはあるけれどそれらはまさに蛇足で、本編のトーンとは全く違い過ぎて浮いてる感じ。これはもうとにかくルーツはどこにあるのかを探求するところを見どころにするべきでしょう。
主人公の私はほぼ作者自身で、書いている怪談話も文庫化されていて、ここに入っている話がそのままこちらにもリンクしていたりする。なのでどこまでが本当なのかはよくわからないところで。だから幾つかの話をまとめたというのが正しいところなのかもしれない。詳しい話を聞きたいなぁ。
てことで主演は竹内結子。なんかずいぶん見てなかったよーな気がする。久保さんには橋本愛。でかいですな、この人。他には佐々木蔵之助とか。
監督は中村義洋。ああ、「予告犯」の人なんですね。
てことでイメージ映像(笑)以外はあまり強くないです。