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Runnin' Wild

ブレードランナー 2049

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原題:”Blade Runner 2049

前作の持つ世界観を壊さないように、丁寧に丁寧に作ったら166分。前作よりも丁寧に語るから仕方ないよね。そして内容も、前作に恥じないいい映画に仕上がってます。

デッカードとレイチェルの脱出から30年。その間、世界はEMPテロによるブラックアウトを経験し、過去の記録はある程度失われた。タイレル社はレプリカント製造禁止により倒産したが、世界を支配する超大企業 ウォレス社によって資産を買い取られてより従順なレプリカントを製造。地球外惑星の開発は「使い捨ての奴隷」レプリカントによって、成功しつつあった。

ロス市警で働くブレードランナーでレプリカントのKは、過去に製造されたネクサス8タイプのレプリカント サッパーを処分するが、彼の住居付近の枯れた木の地下から人骨を発見。しかしその骨はレプリカントのもので、出産時に死亡したものと判明。子供が産めないはずのレプリカントが出産?Kは上司の命令で、この件を調べることになる。

前作は1982年?35年かー。ま、新作を観るにあたって復習のために見たんだけど、やはりレプリカントの方が生きることに純粋で美しく、尊い。「ブレードランナー」は実は、レプリカントという「作り物の命」を使って人の命の尊さとか、人が人である理由、魂とはは一体なんなのかを問う映画であり、その精神はこの映画にもしっかりと反映されている。というかその世界観をいかにして壊さないように継承するのかもひとつのテーマなのかも(映画成功の秘訣はしっかりした「世界観の構築」といつも口を酸っぱくして言ってるけど、それを借景のごとく借りて来られるという点では世界観を壊さない続編というのも一つの手法と言えるのか)。

前作では説明足らずになってしまった部分もたくさんあって、それがいつのまにか「謎」になり、カルト的な人気の元になったわけだが、今作ではそこをしっかりと説明してあって、ちゃんとわかるようになっている……おかげで166分。全米ではスタートダッシュだけでずっこけたという話だけど、これは長ーい映画だからかなぁ。内容は良くできた、しっかり楽しめるSF映画として仕上がってます。

主演のKには今や押しも押されぬ大スターになったライアン・ゴズリング。無骨な感じのイメージは「ドライヴ」のときに近いかもしれない。そしてデッカードが銀幕に戻ってきましたよ、ハリソン・フォード。実はゴズの主演については、ハリソン・フォードからも推薦があったらしい。どこかでゴズと会ったハリソンが、監督に電話して彼を主演にするといいんじゃないか?と聞いたら、実は既にキャスティングに上がってたとか。確かにイメージによく合ってたかも。そしてKが愛する仮想人格の美女 ジョイにはアナ・デ・アルマス。「ノック・ノック」の破天荒な悪女のイメージと違って、とても可愛らしいマスコットガール。あ、でもこの部分って「her/世界でひとつの彼女」と同じネタだな。まーAIと魂の垣根という部分もまた、作り物の命を司る部分なので、内容としてはアリなんだろうけど。他にはKの上司にロビン・ライト、ネクサス8のサッパーにデビッド・バウティスタ、そしてウォレス社の社長にジャレッド・レト。このジャレッドが超無駄遣いというか、ほとんど出て来ないというか、もっと活躍してもよかったんじゃね?というか。……続き、あるのか?
監督は「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーブ。丁寧に映画を作るという点では同じですかね。

たとえ興行的にこけたとしても、この映画の完成度は高い。前作ファンは納得できるだけのものになってます。前作見てない人は、ぜひ見てからどーぞ。

Written by ei

10月 27th, 2017 at 5:17 pm

Posted in Movies,Roadshow

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