シャイニング
原題:”The Shining”(1980)
前々から見返そうと思ってたのを、いろいろなきっかけ(このあいだの「ビッグ・ドライバー」だったり「パッセンジャー」だったり)でようやく見るなど。
ロッキー山脈にあるオーバールック・ホテルは冬の間、厳しい寒さと雪のため営業を停止する。その6ヶ月の休業期間の間の管理人として雇われたジャック・トランスは、妻のウェンディと息子のダニーを連れ、ホテルにやってくる。しかしこのホテルのかつての管理人、チャールズ・グレイディは家族を惨殺して自殺したという忌まわしい過去があった。
原作読んだ気がするんだけど映画とはほぼ別物で、もう双子とジャック・ニコルソンの顔芸だけで怖い映画と言っても過言ではない。(笑)てかまぁ、原作版はホテルそのものが「魔物」なのに対して、映画ではジャックが霊的なものに引っ張られる形で心神耗弱状態に陥って家族を殺そうとする、オカルトよりもスリラー寄りなものになっている。だからまージャック・ニコルソンが恐ければそれで映画は成立するわけで、そーいう意味では映画的に成功と言っていい。
そうなると映画タイトルになってもいるダニーの能力「シャイニング」が活かされるシーンも少なくて、映画タイトルそれでなくても良くね?的な感じになってしまうわけで、映画化と同時にキングが文句を言うわけだなぁと。ただ登場人物の印象や途中で出てくるイメージが強くて、それが普通の生活の間に挟まってるという点は、ある意味キングの怖さに近いと思うんだけどね。
この映画で有名なのはもう一つ「ステディカム」を本格的に映画撮影に使った初めての作品であるという点。ダニーがホテルを三輪車で走りまわるシーンや迷路の中のシーンなど、後ろから対象を追いかけていくスムーズな映像が正にそれ。今はiPhoneやアクションカムを使って手持ちでできてしまうスタビライザーを使った撮影は、当時は超高級機材だったんだよねぇ。
主演はジャック・ニコルソン。もー顔だけで怖いのはこの人が圧倒的ですね。(笑)妻 ウェンディにはシェリー・デュバル。俺、この人ロバート・デュバルの娘さんだとばかり思ってたわ。
監督は言わずとしれたスタンリー・キューブリック。
「パッセンジャー」がきっかけの一つなのは、パッセンジャーでジムが一人で入り浸るバーのイメージが、このホテルのバーのオマージュなんだそーで。あーなるほど、そう言われてみるとそーなのかもしれないなぁ。