若旦那の独り言wp

Runnin' Wild

怒り

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公式サイト(2016)

なるほど、あの事件が本作の着想になったと感じてたのは間違いじゃなかったのか。でもこれは犯人探しがメインテーマじゃなくて、3人の見知らぬ人とそれに関わる人たちの物語なのである。

八王子で夫婦が惨殺される事件が起こり、残された指紋などから犯人が特定され、指名手配がかかる。しかし犯人はどうやら顔を整形して逃げているようで、TVでの公開捜査が行われているにも関わらずなかなか捕まらなかった。事件から1年が経つ頃、東京、千葉、沖縄に手配写真によく似た3人の男が現れる。

ミステリーのように思えるかもしれないが、実際はヒューマンドラマ。過去を語らない3人の男に関わった人たちが感じる愛、そして怒りがそこにはある。ラストは原作とちょっと違うらしいけどそれは読まなきゃわからないことで、映画的にはこれでも問題はないだろうなと。

愛を知った人の胸の苦しみ、愛を守れた人の胸が張り裂けそうな想い、そして意味のない理不尽な怒り。その3つが同列で語られることが良いことなのかどうか。心が動くのは愛だけでなく、怒りでも同じように動くものなのか。この映画が伝えようとしてるのはそーいうことなのだろうか。

ちなみに犯人のモデルがリンゼイ・ホーカーさんを殺害して逃げた市橋達也だとわかると、彼の逃走の軌跡を知ってる人なら誰がそうなのかがすぐわかる。まぁあくまでもモデルなんだろうけど。予告編で写真を見て、あれーと思った人は少なくなかったはず。それを知らずに見ると、最終的にコトが動くまで誰なのかわからないように、映像的にも色々やってあります。

出演者が豪華というのもこの映画のポイントか。渡辺謙、宮崎あおい、松山ケンイチ、妻夫木聡、広瀬すず、綾野剛、森山未來をメインに、高畑充希や原日出子、ピエール瀧、三浦貴大、池脇千鶴なども。ブッキーは最近、「ミュージアム」といいもう自分の殻を破りまくってる感じ。広瀬すずもハードな役を頑張ってこなしましたよねと。
監督は李相日。原作者の吉田修一の「悪人」も彼の監督でした。

最近、こんな風に感情が高ぶることがない。それは自分の中の何かが死んでいってるからなのか。

Written by ei

4月 14th, 2017 at 9:14 am

Posted in Movies

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